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  • 2012.03.30 Friday
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せんせーとわたしのお友達大戦(一度目)

(これはもはやデュエルではない、何にもならない遊戯王的何か)【グッドスタッフ】
「せんせー! 今回は特別編ですよー」
 何だか、最近のきみはキャラクターとしての自覚が過ぎる気がするな。
「気のせーですよー」
 ここでの正しい反応は「?」だよ。疑問を持たない者は疑ってしかるべきだ。
「ということでしてー、実は今回のわたしたちにはパターンが二つありましてー」
 ふたつ?
「候補案ですよー。結果的に、どちらも採用される形となりたもうたのですけれどー」
 よく分からないな。
「つまり、せんせーは私の友達と勝負するべきなのですよー」
 ああ、そういう展開か。
「ではせんせー! お好きなデッキを何個でも持っていくがよろしーのですよー」
 と言っても、ぼくはまともなデッキを持っていないんだけど。
「構いませんよー」
 じゃあ、ありたっけのデッキを持って行こう。くだんの友達か。楽しみだよ。
「ありたっけと言いつつ、三つしかないのですねー」
 大事なのは数じゃないよ。質だからね。
「全部、中身が腐っていると思うのですけどー」
 さて。どんな強いデッキを使うんだろうね。
「友達は、本気のデッキで相手をするそーですよー」
 へえ。何なんだい?
「それを言っては、アンフェアですよー」
 それもそうだ。……ところで、友達の居場所へはどう行けばいいんだろう。
「そんなの、こーすればいーのですよー。えいっ!」
 わあ! こ……これはまさか瞬間移動?
「わたしたちの移動なんて、省いて結構ですからねー」
 何だか、教育テレビ番組を思い出したよ。
「では、せんせーは勝手にデュエルして負けるといーのですよー」
 負けることが確定なのかな。ぼくが勝つ可能性は十分あると思うんだけど。
「……友達が本気を出したら、誰も勝てないのですよー」
 へえ。それはアニメの主人公みたいだね。
〜デュエル開始〜
[先攻ドロー。ターンエンドします。どうぞ]
 それじゃあ、ぼくのターン。未来融合を発動、その効果で墓地に機械族をいっぱい溜めて、《オーバーロード・フュージョン》発動だ。
[どうぞ]

 なら、《オーバーロード・フュージョン》の効果で攻撃力8000の《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を特殊召喚。そしてダイレクトアタック。
[攻撃宣言時、こちらは何も発動しません]
 よし。
[戦闘ダメージ計算時、手札から《クリボー》を捨てて発動します]
 ……そうか。
[効果で戦闘ダメージはゼロになります。何かあればどうぞ]
 ないよ。ターンエンド。

[こちらのターン。《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を洗脳します。そして《キメラテック・オーバー・ドラゴン》で直接攻撃]
 ……何もないよ。
[ありがとうございました]
 ……ありがとうございました。
〜デュエル終了〜
「どーですせんせー。わたしの友達はすごいでしょー!」
 すごいというか、負けたって感じがしないな。
「せんせー。またまた、そんなー」
 今時《クリボー》を出されるとは思わなかった。あれは弱いカードじゃないけど、使いたくなるカードでもないと思うな。
「友達のデッキを、普通の考えで見てはいけませんよー」
 変な見方をしろってことかな?
「せんせーはイレギュラー使いですけど、友達もイレギュラー使いですからねー」
 へえ?
「友達は、せんせーと違って普通の勝利を目指すことがほとんどですけどねー」
 普通じゃなくて悪かったね。いや、ぼくは何も悪くないんだけど。
「自覚がないのですかー……」
 ぼくの扱いって、いつからこうなったんだろう。
「過去を振り返っても仕方ありませんよー」
 それで、ぼくはせっかく制限級のカードを二枚、未来融合と《オーバーロード・フュージョン》を持ちながら、簡単に負けてしまったわけだけど。
「そーですねー。相手が何をするか考えないなんて、迂闊ですねー」
 先攻で何も出さずにターンエンドするなら、《冥府の使者ゴーズ》かと思ってね。一撃で沈めれば勝てると踏んだんだよ。
「ハハッ」
 嘲笑!?

「せんせー、甘いですねー。友達のあのデッキは、今まで敗北したことがないのですよー」
 今日作ったばかりだから、とかいう落ちかい?
「いーえ、今まで何度もわたしが戦ってますよー。全敗ですけどー」
 残念ながら、洗脳と《クリボー》しか見ていないから、どんなデッキかは分からなかったな。
「わたしは知っていますけどねー」
 へえ。教えてもらったのかい?
「いーえ、デュエルするごとに、出されたカードをメモしていただけですよー」
 ……そこまでしたのに、一度も勝てなかったのかい。
「せんせーは一度しか戦ってませんからねー。一戦勝負なんてチキンをするからですよー」
 ふうん。じゃあ、ぼくも試しに何度かデュエルしてみようか。
「勝てませんけどねー」
 そいつはどうかな?
「……せんせー。勝利台詞に頼るのはどーかと思いますよー」
 そこは「なにっ?」でお願いしたかったなあ。
「誰と戦うつもりなのですかー?」
 そうか。友達のほうに頼み込んでおこう。
JUGEMテーマ:遊戯王

わたしのドラゴンデッキ/2(withせんせー)

(力による支配。圧倒的攻撃力の遊戯王的状況)【ドラゴン族】
「せんせー! デッキを改良したのに、友達にあまり勝てませんよー」
 あれ? ぼくとしては、最善のアドバイスをしたつもりだったんだけど。
「いーところで五割ですよー! 全戦全勝できると思ったのですけれどー!」
 ううん。それは友達が強いということだろうね、きっと。どんなデッキを使われたのかな。
「色々ですよー。一番酷かったのがですねー。《超融合》で《F・G・D》を出されたのですよー」
 ……最悪だ。

「こちらのモンスター五体が全滅して、相手に攻撃力5000登場ですよー!」
 考えられる限り、最悪の状況だよ。ぼくなら即座にサレンダーするね。
「《スターダスト・ドラゴン》や《エクスプロード・ウィング・ドラゴン》を出していたのですけどー」

 何というか、調子に乗ってしまったんだね。
「絶対に負けないと思ってましたよー!」
 ほどほどにしておけばよかったんだろうけど。
「抑えが効かなかったのですよー」
 相手が《超融合》を持っているとは予想できなくても、五体目は控えたほうがよかったね。
「他にはですねー、ダークネスメタルドラゴンを洗脳されたり、特殊召喚を妨害されたりですねー」
 すると、真っ向から戦闘負けすることはなかったのかな?
「……せんせー。《オネスト》ってご存知ですかー?」
 ごめん。
「友達は搦め手を攻めるのが得意なのですよー」
 きみは、そういう相手とは戦わない主義じゃなかったかな。
「いえー。わたしが嫌いなのはですねー。せんせーのよーなデッキのことでしてー」
 ああ、分かった。ぼくのデッキは相手を無視しているからね。
「そーですよー。友達は、むしろこちらを意識していますからねー。せんせーとは真逆ですよー」
 それはいいけどね。しかし、勝率五割とはいただけないな。対策されたにしても、勝てなさすぎる。
「一体、何があったのでしょーねー」
 きみが体験したことだよ。
「そーですねー。そー言えば、《バトルフェーダー》からの《邪帝ガイウス》で、ダークネスメタルドラゴンが消えちゃったりですねー」

 なるほど。破壊せずに除外する手があったか。
「そんな感じでですねー。なかなか勝てないのですよー」
 普通なら、あっさり何勝もできると思うんだけどなあ。
「せんせーにふつーとか言われたくはありませんねー」
 別に、ぼくは普通の戦いができないわけじゃないよ。
「しないもできないも、客観的には同じですよー」
 それはそうだけどね。しかし、どうやら友達のデッキはやたらと強いようだね。
「と言いますかですねー、友達の引きが強いのですよー」
 引き? 引き運が?
「えー。すごく強いのですよー。主人公かと思うくらいですよー」
 それは半ばイカサマみたいなものかな?
「イカサマと言いますかですねー。むしろインチキと言えますねー」
 しかし、それはきみに運がないだけかもしれないね。
「いーえ。友達のほうが強運なのですよー」
 そうかな。強運なんて、その場限りのたまたまだと思うけどね。
「せんせーも、一度相手すればいーのですよー。すぐ分かりますよー」
 ふうん?
「では、せんせー。最後に、何か締めの言葉をどーぞー」
 別にないよ。
「そー言わず、ささー、どーぞー」
 じゃあ、一つだけ。《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》って、もはやブルーアイズ以上に強くないかい?
「それを言いますかー。ブルーアイズを手札や墓地から引っ張るので、実は仲良くできますよー?」

 引っ張られるブルーアイズは複雑だろうなあ。
JUGEMテーマ:遊戯王

わたしのドラゴンデッキ2(withせんせー)

(数の力で押しつぶす、遊戯王正統派攻撃の極致)【ドラゴン族】
「せんせー。それでは、ようやく『2』の始まりですよー」
 うん。じゃあ、手早く進めようか。
「わたしはいつでも手早いですよー。それでは、【ドラゴン族】の基本戦術をですねー」
 どうぞ。きっと、ろくでもない名前が出てくるだろうけど。
「まず、《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を出しますねー」
 ほらきた。

「そして、その効果で《マテリアルドラゴン》あたりを出したりするわけなのですよー」
 嫌だなあ。
「攻撃力2800と攻撃力2400が並びましてねー、さらに破壊にも対応できるのですよー」
 この話、やめようかなあ。
「なぜですかー!」
 強いだけの戦術に興味はないよ。
「始めたのはせんせーですよー!」
 ……そうだっけ?
「ですから、勝手に話を畳まないでくださいよー!」
 ううん。なら、仕方ないね。
「さーて、せんせー。わたしに言うことはありますかー?」
 言うって、何を言うのかな?
「ですからー、デッキの問題点とかですよー」
 ああ、そうだったね。うん、別にないよ。
「そうなのですかー?」
 だから、話をやめたかったんだけどなあ。
「せんせー。もしかして、問題があると言いつつ、実は言ってみただけなのですかー?」
 いや、確かに問題はあるんだけどね。
「では言ってみるといーのですよー」
 うん。攻撃力2800と2400が並ぶのはいいけど、実際にそれを成功させることって、あまり無いんじゃないかな。
「ぐわーっ!」
 弱い……。打たれ弱すぎるよ。
「な、なぜ分かったのですかー!」
 その前に質問するけど、《真紅眼の飛竜》は使っているかな?
「ないですよー。あんなの、いりませんからねー」
 うわあ。
「何ですか、そのリアクションはー!」
 いいことを教えてあげよう。《真紅眼の飛竜》はいい子だ。

「そーですかー? 墓地にないと効果発揮できないのですよー」
 ううん。分かってくれないかな。
「《マテリアルドラゴン》で手札から捨てろと言うのですかー?」
 それも悪くないんだけどね。もっと単純な手がある。
「ほほー?」
 ひとりごとを言おう。未来融合発動。デッキから五枚墓地送り。ダークネスメタル、マテリアル、飛竜、飛竜、飛竜……。

「うわあーっ!」
 何か閃いたかい?
「せんせー! ゾンビのように復活するダークネスメタルドラゴンが頭の中にー!」
 それはよかった。
「せんせーがブチブチ言っていたのは、事実無根の言いがかりではなかったのですねー」
 誤解って恐ろしいね。ぼくはそう思うよ。
「こーしてはいられませんよー! すぐにデッキを改良せねばー!」
 ああ。その前に一ついいかな。
「なんでしょーかー!」
 きみ、《マテリアルドラゴン》をデッキに何枚入れているんだい?
「三枚ですよー! 強いですからねー!」
 ……そうかあ。上級モンスターなのにね。
「《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》をなめてはいけませんよー!」
 買いかぶってもいけないと思うんだけどなあ。
JUGEMテーマ:遊戯王

わたしのドラゴンデッキ/1(withせんせー)

(王道中の王道、シンプル真っ当実現困難な遊戯王攻撃講座)【ドラゴン族】
「せんせー。それで、《F・G・D》の弱点とは何なのですかー?」
 ああっ。さっそくカード名枠を一つ使われた。これは予定外だよ。
「せんせー、さっき出したものですから、これはノーカウントですよー」
 そうか。ならいいや。さて、《F・G・D》の弱点だったね。
「……実は、一つは覚えがあるのですけどねー」
 おそらくアレだろうとは思うけど、まずは順当に一つ目からだ。
「どうぞー」
 まず、《F・G・D》初登場時点で既に存在していた、古くからの天敵だ。
「えーとー。そんなのありましたっけー?」
 あったよ。《ものマネ幻想師》だ。

「……あー」
 ご存知の通り、《F・G・D》は光属性との戦闘では破壊される。そして、《ものマネ幻想師》は光属性だね。
「あーあー」
 さらに《ものマネ幻想師》は自身の効果で相手モンスターの攻守をそっくり真似してしまう。
「聞こえませんよー、知りませんよー」

 つまり、攻撃力5000対攻撃力5000。《F・G・D》対光属性。結果は相打ちになるわけだ
「知りませんよー」
 出すのに手間取る融合モンスターが、出し易いレベル1モンスターに相打ちされるわけだ。
「せんせー、鬼ですかー。なぜ何度も繰り返しますかー」
 聞こえないし、知らないようだったからね。
「むー。《ものマネ幻想師》は出された試しがないので気付きませんでしたよー」
 二つ目の天敵。さて、これは何だろうね?
「……《オネスト》ですよねー。これは分かりますよー」

 まあ、このカードは《F・G・D》に強いというか、単体で十分強いからね。
「相手の攻撃力分、自分の攻撃力を上げるなんて、馬鹿げてますよー」
 絶対に戦闘では負けないというわけだ。強化できるのは光属性に限られているから、攻撃された《F・G・D》は戦闘で負けるんだけどね。
「攻撃された《F・G・D》、ですかー?」
 ……ああ。そうか。さては、《F・G・D》で攻撃して返り討ちにあったことがあるね?
「ありますよー!」
 それはつらいなあ。
「何が《オネスト》ですかー! そんなもので生きていけるほど甘くない世の中なのですよー」
 いや、ぼくはいいと思うよ、《オネスト》。世の中なんて、あってないようなものだよ。
「せんせー。他人に解釈を任せる言い方をされましてもー」
 というか、ぼくらは世の中に生きていないからね。
「ですねー」
 ちなみに、前述の《ものマネ幻想師》が《F・G・D》に攻撃し、《オネスト》でパワーアップした場合は……。
「あわわわー」
 もちろん、《F・G・D》のみが戦闘破壊され、更に《F・G・D》側のプレイヤーは5000ダメージを受けることになるね。
「ひどいですよー」
 ついでに、《オネスト》が二連発だった場合は……。
「あわーっ!」
 攻撃力5000の《F・G・D》対攻撃力15000の《ものマネ幻想師》。いい戦いだね。
「勝負になってませんよー!」
 まあ、超過ダメージ10000だからね。
「そんな都合のいい手札、あってたまるものですかー!」
 とは言え、《F・G・D》を破壊するだけならどれか一枚でもほとんど足りるんだよね。
「《オネスト》一枚だけでは勝てませんよー。強化するモンスターがいなければですねー」
 いや、《オネスト》を採用していながら光属性の少ないデッキは滅多にないと思うよ。
「……いーですよー。つまり、光属性に対策すればいーのですねー?」
 いやいや。それじゃあ、単に《F・G・D》が戦闘で破壊されない程度の結果しか得られないよ。
「それで十分ですよー」
 光属性で戦闘するより、普通は効果で《F・G・D》を破壊してくると思うけど。
「むー。どーして戦闘で勝負しないのでしょーねー」
 勝てないからだよ。5000だもの。
「しかし、効果による破壊には、対策があるのですけどねー」
 その辺りは『2』で披露してもらおうかな。
「具体的に、何の破壊効果に気をつければいーのでしょーか?」
 そうだね。《F・G・D》を二体並べることがあるなら、一番まずいのは《ライトニング・ボルテックス》かな。
「あー。友達がよくやってきますよー」

 勝率が五割に達しないのは、そこに問題があるんじゃないかな。
「かもですねー。やはり、対策はあるのですけどー」
 じゃあ、とりあえず《F・G・D》に関する弱点はそんなものかな。挙げればキリがないだけなんだけどね。
「効果破壊を対策するなんて、簡単なのだと教えてあげましょー!」
 それは、やはり『2』でお願いするよ。
「もちろんですよー!」
 ……『2』でも、突っ込み甲斐がありそうなんだけどなあ。
JUGEMテーマ:遊戯王

わたしのドラゴンデッキ1(withせんせー)

(正々堂々真っ向勝負、力がすべての遊戯王デッキ)【ドラゴン族】
「先生。わたしのデッキなのですけど」
 おや。いつものキャラはどうしたのかな。
「せんせーっ。わたしのデッキなのですけどー」
 うん。きみのデッキがどうしたのかな。
「なぜか、勝率が落ち気味なのですよー」
 なぜって、それは弱いからじゃないのかい?
「せんせー。わたしのデッキが弱いなんてこと、ないですよー」
 ちなみに、どのデッキの話をしているんだい。
「【ドラゴン族】ですよー」
 ああ、あれか。うん。強いと思うよ。
「せんせー。分かった風に高みから見下ろすのはやめてくださいよー」
 いや、でも、あのデッキは対策され易いからね。
「そうですかー?」
 あのデッキの勝ちパターンは、いくつあるんだい?
「勝ちと言いますか、攻めのパターンなら二つありますよー」
 じゃあ、そのうち一つを披露願うよ。
「ではですねー。分かり易い《F・G・D》のコンボからですねー」
 コンボと言うほどコンボになっているかは疑問だけどね。

「《未来融合ーフューチャー・フュージョン》でドラゴン族五体をデッキから墓地に落としますねー」
 シンプルだね。
「そして、《龍の鏡》で墓地に落とした五体を融合するのですよー」
 ……へえ。

「すると、魔法カード二枚で、わずか1ターンのうちに攻撃力5000が出てくるという……!」
 弱いね。
「はいーっ?」
 弱いというか、真っ当な戦術だけど、勿体ないね。
「どこがですかー。この戦術には非の打ち所がありませんよー?」
 それはそうなんだけど、墓地に落とした五体を融合というのが勿体ないな。
「せんせー。まさかー、除外することを勿体ないとか、言いませんよねー」
 言わないよ。言わないけど、せっかくドラゴン族を好きに墓地へ送れるんだ。もっと別の利用方法があるんじゃないかな。
「むー? せんせー。既にカード名は三枚分出揃っていますよー?」
 おっと。じゃあ、この点については『2』で語ることにしよう。
「『2』ですかー」
 一応フォローすると、今回披露した戦術に非はまったくないね。
「せんせー。けなした上で言われましても、説得力がありませんよー?」
 完璧だけど、最善の手とは言えないね。
「せんせー。よっぽどわたしを悪く言いたいのですねー?」
 いや、もっといい方法があるというだけだよ。この戦い方も、悪くはないんだ。
「言いましたねー。『2』でろくなことを言わなかったら、ぶちのめしますよー?」
 ……文字だけの存在なのに、どうやってぶちのめすのかな。
「とりゃー! ぐおん! ばきっ!」
 残念だけど、ここには地の文がないから殴ることはできないよ。
「せんせー、ノリが悪いですよー」
 さて。それじゃあ、今回披露してもらった完璧な戦術の結果を謎ってみよう。
「謎?」
 しまった。誤変換だ。なぞってみよう。
「ではですねー。例の魔法二枚から、攻撃力5000の《F・G・D》が飛び出しますねー」
 この攻撃力5000は、どういうわけか、戦闘破壊に耐性があるんだよね。
「ここまでの攻撃力を備えながら、用心のしすぎですよねー」
 五つの属性モンスターとは戦闘で負けない、と。なら、何に負けるのかな。
「光属性ですねー。光にだけは……そう、光にだけは負けるのですよ。そう、光には……」
 分かった。その致命的弱点については『/1』で触れよう。
「あとですねー、現在は神属性があるので、そっちにも負けるかもですねー」
 その可能性は、今のところはほとんどないけどね。
「どうしてですかー?」
 カード化されている神は二体で、うち一体は攻撃力4000の青マッチョ君だ。
「せんせー。カード名を出さないためにしてもですねー、その表現はですねー」
 青マッチョ君は効果の対象にならないから、装備魔法をつけることもできない。
「《F・G・D》と攻撃力勝負に出るのは、難しいということですかー?」
 そうだね。そして、もう一体の神にしてみても。
「……そもそも、あれは誰にも使われませんからねー」
 不死鳥のはずが一撃死する神。確かに、あれは攻撃力5000を超える可能性があるけど。
「その場合、神を使うプレイヤーが瀕死になりますから、脅威ではないですよねー」
 ということで、神は戦闘の障害にはなりにくいわけだね。
「そうですねー。ですから、やはり……やはり、光属性が……」
 分かった。それで、攻撃力5000の《F・G・D》は、出てきて何をするんだろうか。
「なにって、攻撃ですよー」
 だよね。まあ、攻撃力5000だからね。
「攻撃して、モンスターを破壊して破壊して、相手に直接攻撃するのですよー」
 往年の《青眼の究極龍》を思い出させるなあ。
「せんせー! カード名は三つまでですよーっ!」
 あ、うっかりしてたよ。まあ、仕方ないね。
「……まー、ルールは破られるのを待つだけのものですからねー」
 さて。攻撃力5000で殴って殴って、そしてどうするのかな。
「2ターン後には、未来融合によって、もう一体の5000が飛び出すのですよー」
 うん。そうだね。
「攻撃力5000が二体! これで勝てないはずはありませんよー」
 ……相手が逃げに徹したら?
「そんな相手とは戦いませんよー!」
 守りに徹したら?
「そんな相手とも戦いませんよー!」
 それなのに、勝率は高くないんだね?
「そーですねー。いーところで三割でしょーか」
 なるほど。ちなみに、主な相手は?
「例の友達ですよー。色んなデッキで相手してくれるのですけどー」
 ですけど?
「気付いたら、あっさりとモンスターを全滅されるのですよねー」
 なるほど。大体は分かったよ。『/1』で問題点を挙げるとしよう。
「天敵はいても、問題があるとは思えないのですけどー」
 それはともかく。この戦術は、攻めパターンの一つだったよね。
「そうですよー。パターン二つのうちの一つですよー」
 でも、未来融合は制限カードなんだけど。一枚しか入れられないはずなんだけど。
「そうですよー」
 それって、手札が悪ければ勝ちに行けないってことじゃないかな。
「……そうですかー?」
 分かったよ。デッキよりプレイヤーが重要だって、今分かったよ。
「せんせー。世界大会チャンピオンでも、通常上級モンスターだけのデッキでは勝てませんよー?」
 それはデッキじゃない。紙の束だよ。
「強そーですねー」
 神の束じゃないよ。それもそれで、デッキじゃないね。
JUGEMテーマ:遊戯王



せんせーとわたしの無敵殺し

「せんせーっ。友達が卑怯者になりつつありますよー」
 どういうことなんだい?
「せんせーみたいに、特殊勝利デッキを使い出したのですよー」
 いいことじゃないか。応援してあげなさい。
「嫌ですよー。わたしの対戦相手がいなくなってしまうではないですかー」
 きみは、殴り合いしかしたくないのかな。
「まともに戦ってくれないなんて、せんせーも友達もひどいですよー」
 ちなみに、友達はどんなデッキを使い出したんだい?
「《毒蛇神ヴェノミナーガ》を出されましたー」
 ……うわあ。
「せんせー、何を退いているのですかー?」
 ぼくは、何があろうとあれだけは説明したくなかったんだよ。
「せんせー。特殊勝利ばかり語っているくせに、虫のいいこと言いますねー」
 そうか。確かにヴェノミンも特殊勝利カードだったね。忘れていたよ。
「……ヴェノミン? 何ですかそれー?」
《毒蛇神ヴェノミナーガ》は名前が長すぎるからね。ヴェノミンと略してみたんだ。
「いいですけどねー。それはいーですけど、びみょーですねー」
 さて。普段の流れなら、この辺りでぼくが語り始めるんだよね。
「そーですねー。まー、お好きにどーぞー」
 断る。
「せんせー」
 断る。あんなカードを語れるはずがないだろう。
「せんせー。その理由はなぜなのですかー」
 あれは、名前以上にテキストが長すぎるんだよ。だから話すときに不便で仕方ない。遊戯王カード全てで最長なんだよ?
「ですねー。そこを何とか、お願いしますよー。せめて攻略法だけでもー」

 仕方ないな。じゃあ、テキストをコピー&ペーストするけど、大目に見てくれるね?
「多めに見ておきますよー」
 えい。
 このカードは通常召喚できない。このカードは「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき500ポイントアップする。
このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のモンスター・魔法・罠の効果の対象にする事はできず効果を受けない。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地のこのカード以外の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える度に、このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。
「長いですよー! 部分抜粋してくださいよー!」
 ごめん。じゃあ、リトライということで。
 えい。
 このカードは通常召喚できない。このカードは「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき500ポイントアップする。このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のモンスター・魔法・罠の効果の対象にする事はできず効果を受けない。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地のこのカード以外の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。
「長いですよー! それに、特殊勝利の部分を削っただけではないですかー!」
 ……戦闘ダメージ三回で勝利? こんなのが三回も殴ったら、どの道相手は倒れているよ。要らないから削ったまでさ。
「せんせー、いつもより性格がひねくれてませんかー?」
 ううん。じゃあ、僕なりにアレンジし直すことにしよう。
 えい。
 これは専用の方法で特殊召喚するしかない。攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族の数×500ポイントアップ。フィールド上で表側で存在する限り、これをこのカード以外のあらゆる効果の対象にする事はできず効果を受けない。戦闘破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地の爬虫類族1体をゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。このカードが相手に戦闘ダメージを与える度に、このカードに専用カウンターを1つ置く。専用カウンターが3つ乗った時、勝利する。
「せんせー。無駄に行を潰すのはやめましょーよー」
 じゃあ、話に移ろうか。
「わたしが問題に思ったのはですねー、ただ一点なのですよー」
 テキストの長さだね。それは確かに問題だと思うよ。
「違いますよー。このカード、異常に攻略し難いのですよー」
 出すまでに時間がかかるからね。
「元のテキストの、ただ一文が問題なのですよー」
 これかな。『このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のモンスター・魔法・罠の効果の対象にする事はできず効果を受けない』。
「つまり、あらゆる効果が通じないではないですかー」
 そうだね。
「そのくせに、出たときは攻撃力が上がっているのですよー」
『自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき500ポイントアップする』からね。
「戦闘で倒しても、何度も復活するのですよー」
『自分の墓地のこのカード以外の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する』ことができるからね。
「つまり、出されたら対処できないのですよー」
 ……しかし、攻略法がないわけじゃないよ。
「どんなですかー?」
 戦闘で倒し続ける、とか。復活のたびに墓地のカードを除外するから、こいつはどんどん弱くなるんだ。簡単だろう?
「せんせー。いつもまともな戦闘をしないから、そんな穴だらけの言葉が出せるのですねー」
 穴だらけ?
「何度も倒す前に、こちらのモンスターが効果で破壊されるのですよー」
 ああ、なるほど。
「相手は効果で倒れないのに、こちらは倒されるのですよー」
 このカードは、最も無敵に近いモンスターだからね。
「それに、攻撃力3000を超えられると、一度は倒せても何度は倒せませんよー」
 それじゃあ、もう一つの方法を取るしかないなあ。
「さっさと教えてくださいよー」
 蘇生の瞬間を狙い撃つ。ヴェノミンは『フィールド上で表側表示で存在する限り』効果を受けないだけだからね。戦闘で破壊し、蘇生しようとしたところに《天罰》をぶつけるとか。

「墓地から復活しよーとしているのに、そこを押しつぶすのですかー?」
 そういうことだよ。
「なんだか、卑怯ですねー」
 まともなぶつかり合いで勝てるはずがないからね。卑怯も戦術さ。
「卑怯に卑怯では、戦う意味がないではないですかー」
 それが嫌なら、あとは出される前に相手を倒すか、直接攻撃し続けるか……。
「釈然としませんねー」
 フィールドに存在するこのカードを倒せるカードなんて、ろくにないからね。あるとしてもマイナーカードだけだ。
「いちおー、一つ例をどうぞー」
 筆頭は《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》かな。でも、微妙だ。

「びみょーですねー」
 ヴェノミンは、出されたら諦めることが必要かもしれないね。
「せんせー。分かりましたー」
 珍しく素直だね。
「わたし、今度から相手の墓地を除外する人になりますー」
 ……。
「ヴェノミンと言えど、墓地ゼロ枚では何もできませんからねー」
 やめたほうが、いいよ?
「強くなったわたしに、驚くがいいのですよー」
 影響されやすいなあ。
JUGEMテーマ:遊戯王

せんせーとわたしのどきどきスイッチ

 せんせーっ。友達が卑怯者でしたー。
・落ち着いて。鍵括弧を忘れているよ。
「うっかりしてましたー」
 それで、聞き慣れてきた卑怯者呼ばわりだけど、今回は変だね。
「友達が卑怯だったのですよー。せんせーではなくー」
 それは、暗にぼくが友人たりえないと言っているのかな。
「せんせーはせんせーですからねー。友達は友達ですよー」
 きみの友達と言うと、不思議なことに一人だけを指すんだよね。
「友達が、せんせー以上に卑怯者なのですよー」
 そんな馬鹿な!? ぼく以上の卑怯者がいたら、ぼくの存在意義はどこに?
「せんせー。何度も否定してたくせに、自覚ありだったのですねー」
 それで、きみの友達はどんな卑怯をしたんだい? イカサマ? 変身? 分身? 実力行使? カード破り? 「巻き戻し」?
「せんせー。わたしの友達をそんな風に言わないでくださいよー」
 卑怯者呼ばわりしたのに、庇い立てもするんだね。
「せんせー。友達は《自爆スイッチ》を使ったのですよー」
 ……それで?
「それで、わたしは〇勝一敗二分けになったのですよー」
 つまり?
「負けちゃったのですよー」
 なんだ。
「なんだとはなんですかー。《自爆スイッチ》なんて卑怯ですよー」

 卑怯じゃないよ。《自爆スイッチ》で勝利なんて、すごいことだよ。
「せんせー。《自爆スイッチ》で勝利することはできませんけどー」
 いや、まあ、その辺りは言い方一つで、できるともできないとも言える点だよね。
「せんせー。微妙に言葉がかぶってますよー」
 じゃあ、言葉では分かり辛いから、友達とのデュエルをざっと再現してくれないか。
「いいですよー。ざっと割愛してみますよー」
 では、どうぞ。
〜友達の自爆を止めたかったわたしの図〜
「てやあああーっ! 《F・G・D》で攻撃ィィィーッ!」
[《魔法の筒》。きみに5000ダメージね。残りライフ3000、と]
「ノォォォーッ! タ、ターンエンドォォーッ!」
[こっちのターン。《火炎地獄》、《火炎地獄》、《火炎地獄》]
「負けたぁぁーっ! ふ、【フルバーン】だったのかーっ!」
[じゃ、サイドチェンジするから]
「わたしもーっ。まだデュエルは二回あるんだよーっ!」
[二戦目。先攻はどうぞ]
「あれ出してこれしてそれ伏せて、ターンエンドォッ!」
[こっちのターン。あれこれ伏せてターンエンド]
「わたしのターンッ! ドローッ!」
[はい、そのドローフェイズに《光の護封壁》発動。コスト、7000ライフ]
「……ノォォォーッ!」

[じゃ、《自爆スイッチ》発動。お互いライフゼロで]
「わあああーっ!」
[二戦目引き分けね。じゃ、三戦目で]
「いくぞぉぉぉーっ!」
[《自爆スイッチ》」
「ノォォォーッ!」
〜おわり〜
「というわけなのですよーっ!」
 ああ、まともだね。普通だね。
「どこがですかーっ。《自爆スイッチ》で逃げ切りなんて、卑怯ですよー!」
 ……最初に《F・G・D》で攻撃したのが過ちだと思うけどなあ。
「まさか、今時《魔法の筒》が飛ぶとは思わなかったのですよー」
 友達は、ギリギリまでデッキの内容を見せなかったんだね。
「気付いたときには遅かったのですよー」
 仕方ないね。
「仕方なくないですよー。何だって、あんなカードが一切規制されてないのですかー」
 何でだろうね。簡単に発動できないからだろうか。
「友達は、伏せてすぐ使ってましたよー」
 それは、《光の護封壁》があったからだね。《自爆スイッチ》のパートナーが初手にあるなんて、運がいいんだね。
「運だけで負けるのは嫌ですよー」
 運が絡まない遊戯王は嫌だなあ。
「どーしてですかー?」
 相手のデッキが強い、でも相手の初手は悪い、という状況が楽しみだからね。
「せんせー、性格悪いですよねー」
 冗談だよ。
「わたしは冗談ではないですよー」
 それで、きみは《自爆スイッチ》が卑怯だと言っていたよね。
「そーですよー」
 そんなことはないさ。
「ありますよー!」
 対策がし辛いところはあるけど、《自爆スイッチ》を使う側にだって、相応のリスクがあるんだよ。
「ライフを減らす必要なんて、リスクになりませんよー。発動条件なんですからー」
 それがリスクになるんだよ。特に、今回のきみと友達の場合は。
「なぜですかー?」
《自爆スイッチ》の発動条件は、自分のライフポイントが相手より7000以上も下回っていることだ。
「ですからー?」
 今回、友達が使ったデッキは元々【フルバーン】だったんだろう? あれは、ダメージだけで勝利を得るデッキだ。
「言いたいことは分からなく、いえ、分かりませんねー」
 つまり、本来は相手のライフを減らすだけのデッキが、二戦目以降は自分のライフだけを減らすデッキに変わったんだ。
「それで勝てるのなら、いいのではないですかー?」
 ……わざととぼけられている気がするな。だから、友達は二戦目以降、《魔法の筒》も《火炎地獄》も使えなくなったんだよ。
「……あーっ! そーですねー!」
 だから、《自爆スイッチ》を使い始めた二戦目、友達のデッキには勝利する手段は容易されていなかったと考えられる。
「つまりー、スイッチさえ封じればわたしの勝ちだったと言うのですかー?」
 おそらくね。多少の保険があったとしても、それは勝ちに直結しなかったと思うよ。
「それでも、結果的には勝ったのですから、関係ありませんよねー」
 勝ってないよ。友達は引き分けたんだ。
「同じですよー。〇勝一敗一分けの時点で、わたしに勝利はありえないのですよー」
 ……訊いてみるけど、三戦目もあっさり決着しているのは、どういうわけなんだい?
「友達が《検閲》してきましてねー。わたしのスタンバイフェイズに手札確認を十四回されましたー」

 何というか、運のいい友達なんだね。
「ですから、運だけの勝負はしたくないのですよー」
 ぼくも、自分から持ちかける分には好きなんだけどね、運の勝負。やられたくはないなあ。
「やられたくないことをやるなんて、せんせーは駄目な人です」
 分かった。きみが語尾を延ばさないタイミングが、今分かったよ。
「ええーいっ。もう《自爆スイッチ》のことなんて忘れましょー!」
 きみが自分から言ったんだけどなあ。
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せんせーとわたしの/テンカウント

/ さー、せんせー。やりましょーか!」
 そのスラッシュは何をイメージしているんだい?
「ぶった切ったイメージですよー」
 そんな無茶をしてまで、《終焉のカウント「せんせーストップー!」
「カード名は三つしか出せないのですよー。その枠を無駄に使わないでくださいー」
 そんな無茶をしてまで、終焉のCDについて語る必要があるんだろうか。
「あ、せんせー、略称ですかー」
 それで、時間を潰すとか、戦闘を不能にするというのは、どういう意味なんだい?
(真っ向から受けて立つ、遊戯王逃げ切り講座)【終焉のCD】
「ですからねー。20ターンを耐えるのに、毎ターンカードを使う必要はないのですよー」
 そんなことを言っても、使わないと耐えられないよ。
「せんせー。《平和の使者》って知ってますー?」
 そういうことか。なるほど。

「せんせー。《平和の使者》って知ってますー?」
 戦闘を起こさせまいとしているのに、ほとんど風に飛ばされて役目を果たせない人だよね。
「魔法・罠破壊のカードは、ほとんどが竜巻の名を持ちますからねー」
 自然が争いを容認しているんだね。
「争っているのはプレイヤーですよー。とにかく、《平和の使者》を使いましょー」
 永続魔法で、攻撃力1500以下のモンスターは攻撃不能。これはいいカードだ。
「あと、《マシュマロン》を使えば、大抵は攻撃を止められますよー」
 ……《マシュマロン》かあ。
「どーしましたー?」
 ぼくは《マシュマロン》が嫌いなんだ。

「せんせー。《マシュマロン》に、してやられたことがあるのですかー?」
 いや、ぼくが使ったら、《マシュマロン》は期待に沿えてくれなくてね。嫌いになったんだ。
「いいカードですよー?」
 思い出すよ。こいつが相手に奪われたとき。効果で破壊されたとき。貫通ダメージを受けたとき……。
「せんせー。戦闘で破壊されない《マシュマロン》に、多くを望みすぎですよー」
 相手に奪われず、効果でも破壊されない、そして戦闘ダメージをゼロにするモンスターは、いないのだろうか。
「そんなの、いたとしても禁止カードになるだけですよー。強すぎますー」
 でも、きみのデッキなら、そんな奴をも突破しそうな気がするんだよ。
「……無敵のモンスターがほしいのですかー?」
 いや、ぼくはモンスターを信用していないんだ。実は期待もしていない。
「その割には、戦闘を終わらせるナニガシさんを重要視していましたけどー」
 あのモンスターは基本的に妨害されないからね。魔法や罠みたいなものだよ。
「せんせー。モンスターが破壊されやすいからと言って、使わないのは極端ですよー」
 でも、モンスターを入れると、【終焉のCD】は問題点を抱えるだろう?
「抱えませんよー?」
 いやいや。手札がすべてモンスター、という事態が起こるかもしれないからね。
「せんせー。すべてモンスターだろうと、すべて時間潰し要員なのですから、何も変わりませんよー?」
 ……本当だ。すべて罠なのと、あまり変わらない。
「せんせー、とにかく、使い切りにならない守りのカードを入れればオーケーですよー」
 あれ? もう結論したのかい?
「そーですよー? わたしは、単に《平和の使者》と《マシュマロン》を話に登場させたかっただけですしー」
 困ったな。カード名の枠が一つ余ってしまったよ。予想外だ。
「なら、それはせんせーの好きに使ってくださいよー」
 そうかい。なら、《氷結界の龍 トリシューラ》を知っているかな?
「わああーっ」
 何か、嫌な記憶があるらしいね。

「友達が……友達が、1ターン中に連続で三体出してきて……」
 びっくりだね。
「せんせー。もう少し、話と関連するカードは出せないのですかー」
 そういう考え方もあったんだね。
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せんせーとわたしのテンカウント

(正々堂々後ろ向きな、逃げ切り遊戯王講座)《終焉のカウントダウン》
「せんせーっ。とりあえず疑問ですー」
 その、とりあえずというのは何なんだい。
「最近、『せんせーっ』から始めることに嫌気が差してきまして」
 定型文だからね。それで、疑問というのは何だい。
「せんせーって、卑怯なデッキが大好きな卑怯者ですよねー」
 それで、疑問というのは何だい。
「とにかくまともに戦わない、1ターンキルか特殊勝利の卑怯者ですよねー?」
 それで、疑問というのは何なんだい。
「けれど、せんせー。せんせーって、《終焉のカウントダウン》を使ったことがないのではー?」
 いや、あるよ。
「あれー? その割に、今まで話したことがありませんよねー?」
 そうだね。ぼくは、あのカードを使いたいとは思わないからね。
「なぜなのですかー?」

《終焉のカウントダウン》で勝利を狙うのは、かなり単調なデュエルになるからね。
「毎度毎度、同じことはしたくないと言うのですかー?」
 そうだよ。
「せんせーは嘘つきですねー」
 そんな馬鹿な。ぼくは嘘なんてつかないよ。
「でも、せんせーは極端な【凡骨エクゾディア】使いではないですかー」
 否定はしないよ。
「あのデッキは、毎度毎度、一枚の魔法を発動しなければ勝てないではないですかー」
 否定はできないね。
「その点は、【終焉のカウントダウン】とまったく同じではないですかー。どっちも単調ですよー」
 否定はできなくなったね。
「せんせー、エクゾディアを使うのに、どうして《終焉のカウントダウン》は使わないのですかー?」
 それを聞きたかったのか。そんなの、訊く間でもないと思うけどね。
「そーですかー? わたしとしては、カウントダウンのほうがまだマシですよー」
 じゃあ、ここでぼくから質問しよう。
「はいー? どうぞー」
 ぼくの作った【凡骨エクゾディア】は、最短で何ターンキルできるかな?
「エクゾディアが初手で揃う可能性がありますから、1ターン、いえ、0ターンですかー?」
 そんな奇跡は度外視しよう。コンセプトと違うから。
「では、3ターンですねー。先攻取って、例の魔法が手元にあって、発動して、魔法を破壊されなければですねー」
 自分の先攻1ターン目、相手の後攻1ターン目、そして二回目の自分ターンを合わせて、3ターンだね。
「でも、実際は5ターンや7ターン、あるいは11ターンだったりするのでしょー?」
 まあ、そうだよ。では次の質問。【終焉のカウントダウン】は、最短で何ターンキルできるかな?
「……そーいうことですかー」
 言う間でもなかったね。自分の先攻1ターン目で発動したとして、それでも20ターンだ。
「往復10ターン後の相手ターン終了時に勝利、ですよねー」
 相手のターンを10回凌げば勝利か。そう言うと、楽そうだよね。
「何となく分かりましたよー。せんせー、一度試したことがありますねー?」
 まあ、イレギュラーなデッキが好きだからね。試しにゲーム上でデッキを作ってみたんだよ。
「せんせーは、卑怯と書いてイレギュラーと読む人だったのですねー」
 しかし、そもそもの《終焉のカウントダウン》が手元に来なくて、殴り負けたりしたわけだ。
「せんせー。《封印の黄金櫃》は、入れましたー?」
 もちろんだよ。だから、実際はかなりの確率で手元に来るんだけどね。

「運に見放されたのですかー?」
 いや、違うよ。本当は、発動だけならできるんだ。問題はその次。
「20ターン、耐えられなかったのですかー?」
 手元に来るまでに、既に何ターンか時間がかかっているんだよ。実際は相手のターンを15回凌ぐ気でやらないと、勝てない。
「凌げなかったのですねー」
 デッキのほとんどが時間稼ぎと戦闘妨害のカードなんだけどね。それでも無理なときは無理だ。
「……せんせー。時間稼ぎと戦闘妨害って、どんなカードを入れているのですかー?」
 例を一つだけ挙げると、《バトルフェーダー》だね。これが優秀で重宝してたなあ。

「せんせーは分かってませんねー」
 うん? 《バトルフェーダー》のすごさを否定しようと言うのかい?
「せんせー、そもそも、なぜ直接攻撃をされているのですかー?」
 なぜって、壁モンスターが破壊されたりしたからね。
「せんせーが極端なデッキしか作れないのは、考えが狭いからですよー」
 何を言いたいんだい?
「せんせー。時間稼ぎや戦闘妨害で20ターン凌ごうなんて、甘ったるいですよー」
 まさか、ぼくのデッキ構築が甘いと言うのかい?
「あまあまですよー。イチゴのようにあまあまですよー」
 あれは甘い食べ物ではないよ。酸っぱい食べ物だ。
「せんせー。本当に20ターン生き延びるなら、時間は稼がずに潰すべきですよー」
 ……それは、妙な言いかたと言うか、言いかたの妙だけど。
「そして、戦闘は妨害せず不能にするべきですよー」
 忠告はありがとうなんだけど、今回はもう、三枚のカード名が出てしまったんだよ。
「……それが、どーかしましたかー?」
 よって、新たなカード名は出せないんだ。この話の数少ないセオリーだね。
「せんせー。セオリーは守るべきものではないですよー?」
 守らなければセオリーじゃないよ。
「つまり、話を二分割すればよかろうなのですよねー」
 それは、何か違うと思うな。
「せんせーがどう思おうと、わたしはやりますよー。えやっ! 
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せんせーとわたしの卑怯封殺

(あらゆる比喩比較を無視して卑怯千万な遊戯王講座)「はたき落とし」
「せんせーっ。今日は例の日ですよー」
 例の日? たとえの日か。一日中、比喩に勤しむ日なんだね。
「またまたー。今回は前振りの余裕なんてありませんよー。早く突然いきなり言いましょうー」
 分かった。分かったよ、きみが遊戯王の駆け引きとやらをぼくに教えてくれるんだろう?
「そうなのですよー。ということで、今回は友達を連れてきましたー」
 友達? 友達って、きみの? あの、ろくに設定のなかった友達かい?
「それを言うと、わたしたちにも設定なんて大してありませんよー」
 そうなのかい?
「人間としての設定は、わたしよりせんせーが年上ってことしか確定してませんよー」
 それはおそろしく手抜きだね。
「そもそも、人間であるかも疑って構わないレベルですよー」
 それは危ないね。せめて名前とか年齢とか作ってくれないのかな。
「不要ですからねー。設定メモにも『せんせー』『わたし』としか記されていませんしー」
 あれ。今回は前振りの余裕が無いんじゃなかったのかい。
「前振りではなく余談ですよー。ということで、こちら友達になりますよー」
[こんにちは]
 変わった鍵括弧をお持ちの人だね。
「いちおー、《》がカード名に、【】がデッキ名に、『』が二重鍵括弧に割り当てられてますからねー」
 残りはあまり無い、ということか。
「そーいうわけで、ではデュエルですよ、せんせー」
 でも、ぼくが現実に持っているデッキの内容は、きみも知っているだろう?
「三つのどれもが外道で邪道で畜生道なのは、とっくにご存じなのですよー」
 その上でデュエルとは、よっぽどの自信があるんだね。
「それでは、1ターンキルでも狙うといいのですよー」
 ……きみ、勝つ気はあるんだよね?
「えー、もちろんですよー」
(それじゃあ、ぼくは【超特化凡骨エクゾディア】で1ターンキルを目指そうか)
「せんせー、デッキの用意はいーですかー?」
 その前に、きみが友達を連れてきた意図を聞きたいな。まさかイカサマ目的ではないだろうし。
「ジャッジですよー。友達はせんせーと張るくらいに、ルールを知ってますからねー」
 なるほど。じゃあ、先攻決めのジャンケンとかは全部省略しようか。
「かくかくしかじかで、せんせーのターンからですねー」
 ぼくは《凡骨の意地》を場に出して、モンスターを守備表示。ターンエンドだよ。
「わたしのターン。カードを一枚伏せて、ターンエンドです。せんせー、そのデッキでしたかー」
 うまく行けば、このぼくのターンで勝ちだね。ドロー。通常モンスターカード。追加ドロー。まただ。追加ドロー。まただ。
「どーぞー」
 ドロー。……んん。
「せんせー。そのドロー時にわたしは罠発動ですよー」
 ん? 罠?
「《強烈なはたき落とし》ですよー。この効果、ご存じですよねー」
 ……あー。えー。いや、知ってるけど、えー。……えー?

「せんせー。せんせーがついさっきドローしたカードを、墓地に捨てますよー」
 いや、でもさ。
「せんせー。ドローしたカードって、どーれーでーしーたー?」
 ……手札、シャッフルしちゃったよ。
「せんせー。いけませんねー」
 何をドローしたかは覚えているんだけど。
「でも、せんせー、さっきの『……んん』で手札を混ぜちゃいましたねー。嘘かもしれませんねー」
 いや、でもさ。
「言い訳無用ですよー。そのためのジャッジなのですよー」
 ……まさか。
[せんせー、このデュエル、負けだよ。相手が《強烈なはたき落とし》するかもしれないのに、手札シャッフルなんてするんだから]
「ということですよー」
 ……えええ?
[手札シャッフルはさ、相手が《はたき落とし》も《強烈なはたき落とし》もできないタイミングじゃないとね。こうやって絡まれるから]
 なにこれ?
「遊戯王ですよー。ジャッジを搭載した公認デュエルで行える、裏ワザですよー」
[普通は、嫌われるからやらないんだけどね。でも、成功すれば相手のルール違反で勝てるんだよね。反則的な反則させ技なんだよね]
 ごめん、まったく意味が分からないんだ。
「ですからー、相手が《はたき落とし》とかするかもしれないのに、引いたカードを手札で混ぜちゃうと、負けるのですよー」
[手札を混ぜること自体は認められてるんだよね。だけどさ、引いてすぐのタイミングでは、やっちゃだめなんだよね]
 あの。やっぱり分からないんだけど。むしろ分かりたくないんだけど。
「つまり、こーですよー。相手がカードをドローして、こっちが《はたき落とし》をするまでに、相手が手札シャッフルしてくれたら勝ち、ですよー」
[引いたカードが分からないんじゃ、どうしようもないからね。分からなくしたほうが悪いってことになってるんだよね]
 ……それって卑怯だよ。
「卑怯でも、勝利は勝利ですよー」
[ルールとマナーを守って楽しくデュエル、なんて嘘っぱちだよね。ルールさえ守れば、マナーはどうでもいいってことになってるからね]
「せんせー、感想はどーですかー?」
 ……罠一枚で1ターンキルが阻止されてしまったのか。これは……ゲームじゃないよ。
「たしかに、携帯ゲームでは不可能なことですねー。むしろ罠一枚で1ターンキルされてますねー」
 こんなの、責任の押し付けじゃないか。
[押し付けでも何でも、責任は手札シャッフルした側に求められるんだよね。嫌なことだよね]
「せんせー。これが遊戯王における駆け引きの究極版ですよー」
 断言するけど、これは駆け引きじゃないよ。ただのいちゃもんだ。
「まーまー。せんせー。気を取り直して、もう一度デュエルしませんかー?」
 望むところだ。あんな手には、もうかからない。
「では、負けたせんせーが先攻を取っていいですよー」
 今度こそ、今度こそ……。
[でも、せんせーは勝てないんだよね]
《凡骨の意地》発動。ターンエンドだよ。
「わたしのターン。魔法発動、追加ドロー、魔法発動、追加ドロー。魔法発動……」
 どれだけ追加ドローするんだい。
「せんせーに言われたくはありませんよー。カードを伏せてターンエンドですよー」
 ぼくのターン。ドロー、通常モンスターカード。追加ドロー、通常モンスターカード。
「その《凡骨の意地》にチェーン、《マインドクラッシュ》です」
 うっ!

「さー、せんせー。そのエクゾディアパーツ、捨てましょー」
 ……。
[聞いたことあるけど、それ、特化しすぎた【凡骨エクゾディア】だよね。一度捨てたら拾えないんだよね]
「さー、せんせー。捨てましょー」
 ……サレンダーするよ。降参だよ。
「わーい。せんせーに勝ちましたよー」
 何だろう、この複雑な気持ち。
[メタを張られているからね。《凡骨の意地》は引いたカードの公開が発動条件だからね。狙い撃ちできるんだよね]
「《強烈なはたき落とし》と《マインドクラッシュ》を引くためのデッキ、作った甲斐がありますよー」
 卑怯だっ!
「それはせんせーですよ?」
 それでも、これは卑怯だっ!
[ルールもマナーも、本当は守るべきなんだよね。負けたからって卑怯呼ばわりはひどいよね]
 卑怯だっ!
「せんせー……」
[ところで、強烈じゃない《はたき落とし》は普通のドロー以外には使えないんだよね。不便だよね]

 不便でも十分だよ。だって、それで勝てるだろう?
[そんなことしないよ。卑怯だもん]
「わたしも、もうしませんよー。だって、卑怯ですからー」
 ……きみたちは、ぼくを悪く言いたいために、こんなことをしたのかな。
「いーえ、もしせんせーが現実のカードを使うことになっても、こーいうことはしないでくださいというメッセージでしてねー」
[卑怯が嫌いな卑怯者なんて、笑えないからね]
 ぼくも笑えないよ。これを敗北だとは決して思いたくないな。
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