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  • 2012.03.30 Friday
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せんせーとわたしのこれまでの話

せんせーとわたしは『コストを払う』
せんせーとわたしの『優先権』
せんせーとわたしのタッグデュエル
せんせーが一人で超特化(そばにわたし)
せんせーとわたしの特殊裁定・PP
せんせーとわたしの仕組まれたクイズ
せんせーとわたしの卑怯封殺
せんせーとわたしのカウントダウンシリーズ
せんせーとわたしのどきどきスイッチ
せんせーとわたしの無敵殺し
わたしのドラゴンシリーズ
せんせーとわたしのお友達大戦シリーズ
せんせーとわたしのカウンターシリーズ
せんせーとわたしの吸収融合シリーズ
せんせーとわたしのシステマチック(偽)シリーズ
せんせーのデッキ破壊1ターンキルシリーズ
せんせーとわたしのザ・ワールド
せんせーとわたしのドリルシリーズ
せんせーはわたしのハンドレスシリーズ
せんせーとわたしの光と闇の竜シリーズ
せんせーとわたしの被戦闘要員シリーズ
せんせーとわたしのシンクロ召喚シリーズ
せんせーとわたしのユニコールシリーズ
せんせーとわたしのジャンク・シンクロンシリーズ
せんせーとわたしのダブルチューニングシリーズ
せんせーとわたしの友達の機皇帝
せんせーとわたしの『巻き戻し』
せんせーとわたしの友達の『巻き戻し』
せんせーとわたしの超融合シリーズ
せんせーとわたしの究極竜騎士シリーズ
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せんせーとわたしの友達の無色同盟シリーズ
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せんせーとわたしのマキュラまきゅりん
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せんせーとわたしのゴッドフェニックス(それはどうかな?)
せんせーとわたしのダイス大嫌い
せんせーとわたしのウイ……?
せんせーとわたしのアウトインアウト
せんせーとわたしの同調超越・オーバーシリーズ
せんせーとわたしのここからの話

せんせーとわたしの友達(・)

(集いし夢の決闘が新たな進化の扉を開く。エクシーズ召喚! 希望の力!)『現代編』

[『せんせー』! それではー、マッチ戦を続ける前に、エクシーズ召喚について教えてあげるのですよー!]
どうやら、きみは『わたし』のキャラクターを奪ったままのようだね。
[それではですねー、エクシーズ召喚のやりかたなのですけどー]
大体のところは、実際に見てわかったよ。知りたいのは前回で意見の食い違った処理だ。
[ははー。『せんせー』。遊戯王世界での『大体わかった』は、『まるでわからない』と同じなのですよー]
それは……そうかもしれないけどね。
[ではですねー、エクシーズ召喚はシンクロ召喚と似た準備をするのですよー]
だけど、どうやらエクシーズ素材はチューナー非チューナーを選ばないようだね。
[そーなのですよー。エクシーズ召喚に使うモンスターは、レベルが同じカードであれば、どんなモンスター同士でもいーのですよー]
それは、よくよく考えると恐ろしいことだね。シンクロ召喚の登場時には『《死者蘇生》でチューナーを奪えばどんなデッキでもシンクロできる』からエクストラデッキを15枚用意することが常識になったけど、エクシーズ召喚は《死者蘇生》の入っていないデッキですらその要素を使えるわけか。
[狙って出すのは難しーのですけどー、狙わず出すのはシンクロ召喚よりも簡単なのですよー]
だけど、そのステータスはシンクロモンスターよりは劣っているようだね。……もっとも、ぼくはまだ二種類のエクシーズモンスターしか見ていないから、それは早とちりの可能性もあるのかな。
[『せんせー』。それよりもですねー、《ボルト・ヘッジホッグ》のことなのですよー]
おっと、そうだった。場にチューナーがいることで自己再生効果を使った《ボルト・ヘッジホッグ》は、いかなる方法で場を離れようと除外される。《王宮の鉄壁》で除外自体を封じられている場合はさすがに墓地に送られるけど、しかし、前回ではそんなこともないのに《ボルト・ヘッジホッグ》が除外されず墓地に送られていたね。

[それはですねー、《ボルト・ヘッジホッグ》がエクシーズ素材になっていたからなのですよー]
それはどういうことかな?
[『せんせー』。ただ質問を繰り返すだけなら、素直にルールを確認すればどうでしょうか。この世界のルールはすでにエクシーズ召喚に対応した『マスタールール2』へ進化しています。その気になれば、一応は識者設定の『せんせー』は一行で事情を理解できるでしょう]
しかし、手近にルールブックやWikiへの入り口が見当たらないようだからね。きみに訊くしかないんだよ。
[では仕方ありませんね。エクシーズ召喚にはシンクロ召喚と違う部分がいくつかありますが、その最たるものは素材を墓地に送らずエクシーズモンスターの下に重ねて置くことです]
たしかにそれは奇妙だね。墓地へモンスターを送らせないための措置なんだろうけど、その『下』というのは、新たなカード領域なのかな。
[新たな領域かどうかは難しいところですね。俗にオーバーレイ・ユニットとも呼ばれるエクシーズ素材ですが、このカードは場のカードとして扱われません。また、エクシーズ召喚の際にモンスターがエクシーズ素材となった場合、それは場から離れたものとして扱いません]
……よくわからないな。
[つまり、《ボルト・ヘッジホッグ》は蘇生効果を使えば『場から離れる場合、代わりに除外される』ことになりますが、エクシーズ素材となることは場から離れる行為ではないため、除外されないということです]
なるほど。たしかに、場から離れないなら除外はされないね。
[そして、エクシーズ素材は場のカードとして扱いませんから、その《ボルト・ヘッジホッグ》がエクシーズ素材として取り除かれる場合も、また除外されることはありません]
……ええと、どういうことかな。
[有り体に言うと、《ボルト・ヘッジホッグ》は『場から離れることなく場のカードでなくなったため、除外される機会がなくなった』ということですね]
そんなことがありえるのかな。
[エクシーズ召喚にならありえます。従って、墓地に《ボルト・ヘッジホッグ》が二体以上いる場合、チューナーを場に用意するだけでノーコストの《ガチガチガンテツ》が誕生するということにもなります]
そう考えると、攻撃性のない《ガチガチガンテツ》も、何だか強いカードに見えてくるね。
[《ガチガチガンテツ》の性能など関係なく、ここに《キャノン・ソルジャー》でも並べてしまえばランク2エクシーズモンスターの連続射出コンボでデュエルが決着するのですが、つまりはそういう理屈です。これで前回の件に納得が行ったでしょうか]
とりあえずは納得できたかな。それじゃあ、また次の機会に。
[いえ。前回のデュエルはあくまで通常のデュエルですから、当然ながらマッチ戦です。わたしはすでにサイドチェンジを済ませているので、先攻後攻は『せんせー』の好きなようにどうぞ]
……仕方ないな。それじゃあ、ぼくは先攻を貰うとしよう。
〜【テックジーナス】VS【神炎皇ウリア】〜
ぼくのターン。ドロー。
/友:手札5 LP8000
/せ:手札6 LP8000
カードを5枚伏せてターンエンドだよ。
[わたしのターン。ドロー]
/友:手札6 LP8000
/せ:手札1 LP8000 伏せ×5
[モンスターを守備表示。カードを3枚伏せてターンエンドです]
そのエンドフェイズ、ぼくは《神の恵み》を発動するよ。そしてぼくのターン! ドロー!

/友:手札2 LP8000 裏守備×1 伏せ×3
/せ:手札2 LP8500 神の恵み 伏せ×4
メインフェイズ、伏せていた《メタル・リフレクト・スライム》を発動。さらに《死霊ゾーマ》を発動。

[どうぞ。《神炎皇ウリア》でしょうか]
その通り! 《神の恵み》・《メタル・リフレクト・スライム》・《死霊ゾーマ》の3枚を墓地に送り、《神炎皇ウリア》を特殊召喚! そして特殊召喚時、セットされた魔法・罠破壊効果を発動! 中央のカードを破壊させてもらおう!

[では中央のカードこと《激流葬》を発動するとしましょう]
おっと、それはどうかな?
[《神炎皇ウリア》には破壊耐性もありませんし、わたしの場の《ガンバラナイト》共々墓地送りになりますね]

……悪かったね。その守備モンスターが死ぬのはまだだよ。《神炎皇ウリア》の効果にきみが魔法・罠をチェーンすることはできないから、《激流葬》はおとなしく破壊されるしかないんだ。
[……『せんせー』。《神炎皇ウリア》の破壊効果の分類は何でしょうか]
どう見ても起動効果だよ。それがどうかしたのかな。
[では、しっかりとルールを見直すことをお勧めします。『マスタールール』が『マスタールール2』になった際の大きな違いはその一点にあるのですよ。項目は『マスタールール2』の『起動効果発動』です]
『マスタールール2』……それもどこかで聞いた響きだね。ぼくが知らない間に、ルールが新しくなっていたのか。
[ええ。そして『マスタールール2』の世界では、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚時の優先権では起動効果が使えなくなっています]
へえ……なぜかな。ぼくの《神炎皇ウリア》は死にたがっているみたいだ。
[それは当然ですね。かつては《激流葬》に耐性を持っていたも同然の《神炎皇ウリア》は、残念ながら現在ではその性能を著しく落としています。特殊召喚後に一休みしなければ効果の使えない大型効果モンスターなど、ただ除去を待つかませ役でしかないでしょう。わたしの宣言した通り、《激流葬》で《ガンバラナイト》共々墓地に沈んでもらいますよ]
……仕方がないな。それじゃあ、カードを一気に4枚も消費してしまったけど、さらに1枚伏せてターンエンドだよ。
[わたしのターン。ドロー]
/友:手札3 LP8000 伏せ×2
/せ:手札0 LP8500 伏せ×3
[メインフェイズ、手札から《デブリ・ドラゴン》を通常召喚します]
……それはいいけど、墓地にはレベル4モンスターしかいないはずだよ。
[『せんせー』には聞いたことをすべて忘れる機能でも備わっているのでしょうか。わたしは墓地からレベル4《ガンバラナイト》を特殊召喚!]

しかし《デブリ・ドラゴン》は特殊召喚したモンスターの効果を無効化し、レベル4モンスターとはシンクロ召喚できない。弱小モンスターを攻撃表示で並べて……ああ! エクシーズ召喚!
[ようやく気付いたようですね。止める手立てがないのなら展開させてもらいましょう。レベル4の《ガンバラナイト》と《デブリ・ドラゴン》をオーバーレイ!]
レベル4同士のエクシーズ召喚……ということは、前の時に出たモンスターじゃない!
[《No.39 希望皇ホープ》!]

……あれ? 何だか、どこかで見たような、変な名前のモンスターが出たね。
[そうでしょうか。これは平仮名に開いても『なんばーず・さんじゅうきゅう・きぼうおう・ほーぷ』という、至って普通の名前のカードですよ]
突っ込みどころだらけで突っ込めないな……しかし攻撃力が2500となると、エクシーズ召喚は思ったほど弱小でもなさそうだね。
[バトル! 《No.39 希望皇ホープ》で『せんせー』にダイレクトアタックするのですよー!]
トラップ発動! 《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》! レベル4以上のモンスターの攻撃をすべてシャットアウトする!

[『せんせー』! そんなカードは効かないのですよー!]
まさか! ……そうか! そのダークシンクロめいたデザイン! まさか本当に、エクシーズモンスターはレベルマイナスのモンスター!
[いいえ。たしかにエクシーズモンスターは通常のレベルと異なる概念を持ちますが、その異なりかたはダークシンクロモンスターとは違います]
……それは、たしかに実際にレベルマイナスなんて概念を持ち出すと、この手のレベル系処理が難しくなるからね。すると、どういった概念を持っているのかな。
[エクシーズモンスターにはレベルの概念が一切ありません。レベル0ですらなく、魔法や罠のように、そもそもレベルというステータスが一切備わっていないのですよ]
そんな馬鹿な! その左から並んでいる星は、まさか飾りと言うつもりか!
[いいえ。これはエクシーズモンスターのみが持つ『ランク』というステータスです。エクシーズモンスターの『ランク』は、エクシーズ召喚に使うモンスターのレベルと同一の数値になります。《ガンバラナイト》と《デブリ・ドラゴン》のレベルは4。よって呼び出した《No.39 希望皇ホープ》のランクも4なのです]
レベルを持たないモンスター? ……ということは、つまり。
[いえ。つまりもなにもなく、単に『せんせー』の発動した《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》こそが飾りとなり、ダイレクトアタックが成立するというだけなのですが]
うわああー!
[カードを1枚伏せてターンエンドです]
ぼくのターン! ドロー!
/友:手札1 LP8000 No.39(2)伏せ×3
/せ:手札1 LP6000 超重力の網 伏せ×2
メインフェイズに《スピリットバリア》発動! ぼくの場にモンスターがいる限り、ぼくへのダメージは0になる!

[そのカードを今発動するということは、二体目の《神炎皇ウリア》が手元にあるということでしょうか]
そうとも! さらに最後の伏せカード《アストラルバリア》も発動!
[……そのカードは!]

そして《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》と《スピリットバリア》と《アストラルバリア》を墓地に送り《神炎皇ウリア》を特殊召喚! 攻撃力は6000だ!
[召喚を無効にしません]
特殊召喚時の優先権を放棄!
[どうぞ好きなように]
《神炎皇ウリア》の効果発動! きみの……さっき伏せたカードを破壊!
[なるほど。しかしハズレと言わざるを得ません。破壊されたのは《魔法の筒》です]

なんて危ないカードを伏せるんだ! バトル! 《神炎皇ウリア》で《No.39 希望皇ホープ》を攻撃!
[《No.39 希望皇ホープ》の効果発動! オーバーレイ・ユニットことエクシーズ素材こと《ガンバラナイト》を墓地に送り、モンスターの攻撃を無効にします]
ターンエンド!
[わたしのターン。ドロー]
/友:手札2 LP8000 No.39(1)伏せ×2
/せ:手札0 LP6000 ウリア
[伏せていた《リミット・リバース》を発動。《ガンバラナイト》を特殊召喚します]
どうぞ。ぼくには伏せカードがないから、好きに展開していいよ。
[それでは、手札から《地獄の暴走召喚》を発動]
…………。

[デッキより二体の《ガンバラナイト》を特殊召喚!]
どんなにがんばったところで、それは攻撃力0のモンスターだよ!
[『せんせー』。わたしの前で《ガンバラナイト》を貶めることは許しませんよ。このモンスターは攻撃されても守備表示となり、守備力1800で守りを固めることができます]
それは、たしかに《地獄の暴走召喚》と相性がいいことになるんだろうけど……でも、《リミット・リバース》で出たモンスターは守備表示になると死んでしまうから、その一体だけは無防備なままだね。
[まさか。《ガンバラナイト》に仲間はずれはありませんよ。わたしはレベル4の《ガンバラナイト》と《ガンバラナイト》と《ガンバラナイト》をオーバーレイ!]
……三体でエクシーズ召喚!? だけど、シンクロ召喚と違って、エクシーズ召喚には使用モンスターの数が定められているはずだ!
[その通りですよ。よって『レベル4モンスター×3』と書かれたモンスターをエクシーズ召喚!]
なにがくる……?
[《ヴァイロン・ディシグマ》! このモンスターは攻撃力2500ですが、その効果はナンバーズの希望皇ホープをすら上回ります。『せんせー』はエクシーズモンスターを知らなかったようですから、ここで効果確認をさせてあげましょう]
どれどれ……なるほど。

[この効果により、『せんせー』の場に表側攻撃表示で存在する《神炎皇ウリア》を《ヴァイロン・ディシグマ》に装備させてもらいましょう]
ちょっと待った! その効果を発動するためにはエクシーズ素材を墓地に送る必要がある! 仲良く三体連なっている《ガンバラナイト》のうち一体は仲間はずれになるはずだ!
[そう言われてしまうと、たしかにそれはその通りですね。しかし、デュエルはすぐに終わるのでそれほど寂しくもないでしょう。エクシーズ素材の《ガンバラナイト》1枚を墓地に送り、《神炎皇ウリア》を装備!]
……どうぞ。
[バトル! 《No.39 希望皇ホープ》で『せんせー』を攻撃!]
ぐわあー!
[さらに《ヴァイロン・ディシグマ》で攻撃。これで『せんせー』のライフポイントは残り1000、すなわち風前の灯ですよ]
くそう! ぼくはてっきり、このデュエルが神炎皇VS希望皇の図になるのかと思っていたよ!
[なにを言っているのでしょうか。ナンバーズでもないウリア程度はどんな方法で除去しても問題ないのですよ。それよりも、手札0の【神炎皇ウリア】に勝ちパターンはないはずです。サレンダーしますか?]
ううん……たしかに絶望的だけど、ここは最後まで諦めずに戦うよ。
[その言葉には少し不愉快なものがありますね。なぜでしょうか]
それはキャラぶれだよ。ぼくのターン。ドロー。サレンダー。メインフェイズ。
/友:手札1 LP8000 No.39(1)ディシグマ(2)(装備)ウリア リミット 伏せ×1
/せ:手札1 LP1000
[『せんせー』。正気を取り戻すことをお勧めします。サレンダーが成立すればメインフェイズは訪れませんよ]
それもそうだね。じゃあ、ドロー。サレンダー。また次の機会に。これでいいかな。
[一応、可能であればデュエルを続行すべきだと思いますが]
可能ではあるけど……マナー違反を承知でドローカードを明かさせてもらうよ。《スキルドレイン》だ。ライフポイント1000でこのカードを引いても、さすがにどうしようもないからね。

[なるほど。そのカードを入れていたのですか。それでは引き続いてデュエルしましょう]
……あれ?
[その《スキルドレイン》を伏せるのも手札に抱えるのも自由ですが、ターンを渡してもらわなければデュエルの決着がつきません。どうぞお好きなほうを]
……ええと、それじゃあ、場に伏せて、ターンエンド。
[わたしのターン。ドロー。《No.39 希望皇ホープ》で攻撃します]
……ぐあー。
/友:手札2 LP8000 No.39(1)ディシグマ(2)(装備)ウリア リミット 伏せ×1
/せ:手札0 LP0000 伏せカード(スキルドレイン)
[それでは、これでようやく未来編こと新たな現代編の開幕ですね。これ以降は『マスタールール2』の世界に対応したピンポイントレッスンが始まります。次回からは場を移して、『5D’s』の看板を捨てたピンポイントレッスンを始めるとしましょう]
ちょっと待った。5D’sの看板を外しても、代わりに入れるものがないよ。
[ありますよ。この時代の遊戯王OCGは5D’sではなく『ZEXAL』なのです。よって、次回からは生まれ変わった『遊戯王ZEXAL ピンポイントレッスン』が始まり、『5D’s』時代は今回で終わってしまうというわけですよ]
へええ……ぼくがちょっと目を離している隙に、色々と変わっていたんだね。
[目を離していることに気付きながら、その間に変わったルールに異を唱えていたのですか。とても『せんせー』らしからぬ『せんせー』ですね。それでは、ここでその偽りに満ちた立場はわたしが代わりに貰っておくとしましょうか]
それは何の話かな。
[ナンバーズ同士の戦いでは敗者が吸収されるのが『ZEXAL』の世界ですからね。過去編でのやり取りを見たところでは『せんせー』はオーバーレイ・ユニットを着脱できるようですし、十分にエクシーズモンスターの資格はあるでしょう。隠し番号のNo.151あたりとして吸収させてもらいますよ]
なにを言っているのか……わあああ!
[ごちそうさまでした。これにて『おともだちせんせー』の完成です。わたしの【同調同超越】デッキを【テックジーナス】デッキと勘違いする『せんせー』程度は、いなくなっても問題ないでしょう]

[じゃあ、また次の機会に]
JUGEMテーマ:遊戯王

せんせーとわたしの友達(/)

(集いしカードが新たな世界の鍵となる。光の中から始まる物語)『未来編』

[『せんせー』! それではですねー、今回は、何と未来編の話なのですよー!]
ちょっと待った。そのキャラは完全に『わたし』とかぶっているから、できればやめてくれないかな。
[しかし『せんせー』。現在の『わたし』は頭の中がクリアマインドでかっとビング状態のため、本来のキャラから外れているのですよ。それはつまり、わたしがその本来のキャラを演じたところでキャラかぶりにはならないということです]
それは強引な理屈だね。
[強引であろうと理屈は理屈です。つまりはただの気休めですね。さて、それでは『せんせー』。わたしは久々に登場したので、これはどう考えてもデュエルせざるを得ない状況です。適当なデッキで構わないので、相手になってもらいますよ。先攻後攻はどうぞお好きなように]
ちょっと待った。『わたし』がおかしくなっていることを無視して仲良くデュエルなんて、なにか間違っていないかな。
[心配には及びませんよ。このデュエルが終われば『わたし』はある程度正常になりますからね]
デュエルが何でも解決するということか……。それじゃあ、ぼくは先攻を取ろう。
[では、通常のルール規定に則ってデュエルしましょう。ああ、いえ、『せんせー』には説明が必要でしたね。デュエルはまずドローフェイズから始まります。次に/
その手の説明は不要だよ。それじゃあ……このデッキを使ってみようか。
[『せんせー』。《時械神メタイオン》のカードスリーブとは、珍しいものを持っていますね]
デタラメを言わないでほしいな。それじゃあ始めるよ。
〜【――――――】VS【――――――】〜
ぼくのターン。ドロー。カードを4枚伏せてターンエンドだよ。
[わたしのターン。ドロー]
/友:手札6 LP8000
/せ:手札2 LP8000 伏せ×4
[なるほど。どうやら【神炎皇ウリア】のようですが、その手の推測を口にするのはマナー違反ですね。ではスタンバイフェイズ]
メインフェイズまで、なにもないよ。
[では手札から《撲滅の使徒》を発動。その伏せカードを破壊したのち除外しましょう]
それはまずい! 対象となった《メタル・リフレクト・スライム》を発動! これにより《撲滅の使徒》の除去効果は働かない!

[十分ですよ。それでは、わたしは手札から《TG ストライカー》を特殊召喚!]
【テックジーナス】だったのか!
[その手の憶測を口にするのは反則的ですよ。続いて、特殊召喚成功により手札から《TG ワーウルフ》の効果発動。特殊召喚します]
構わないよ。
[では《TG ワーウルフ》を特殊召喚。続いて、《TG ワーウルフ》の特殊召喚成功によりさらなる《TG ワーウルフ》の効果発動です]
……どうぞ。

[二体目の《TG ワーウルフ》を特殊召喚。なにもなければ/
なにかあるよ! その特殊召喚成功時に《不協和音》を発動! きみのシンクロ召喚を妨害させてもらおう!
[では手札から《サイクロン》を発動。《不協和音》を破壊します]
それは困るな。《宮廷のしきたり》を発動しよう。これにより、永続トラップの《不協和音》は破壊を受けない!

[なるほど。それでは、二体目の《TG ストライカー》を通常召喚します]
……話を聞いていなかったのかな。弱いシンクロ素材を出したところで、破壊できない《メタル・リフレクト・スライム》と《不協和音》の前には意味がないよ。
[そうでもありませんよ。わたしの場には《TG ストライカー》と《TG ワーウルフ》が二体ずつ。シンクロ召喚できないと言うのなら、エクシーズ召喚をするまでです]
まさか、オリジナルカードを使うつもりかな。
[使うのはあくまでオフィシャルカードですよ。それでは、ここで未来編の片鱗を見せてあげましょう]
よくわからないけど、お好きなように。
[レベル2の《TG ストライカー》と《TG ストライカー》をオーバーレイ!]
……チューナー同士で? それは新しいシンクロ召喚かな。
[いいえ。これは儀式召喚でも融合召喚でもシンクロ召喚でもない新たな特殊召喚方法です。《ガチガチガンテツ》をエクシーズ召喚!]

そのカードは!
[おや。見覚えがあるのでしょうか。『せんせー』はエクシーズモンスターを知らないまま未来編を迎えるものとばかり思っていたのですが]
まさかOCGにダークシンクロ召喚が出るとは思わなかったな。すでにシンクロモンスターとして出た《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》たちはどうすればいいんだろうね。
[……まあ、いいでしょう。続いてレベル3の《TG ワーウルフ》と《TG ワーウルフ》をオーバーレイ!]
おっと。《TG ワーウルフ》はチューナーじゃないよ。
[チューナーであろうとなかろうと、エクシーズ召喚には問題ありません。《グレンザウルス》をエクシーズ召喚!]

……そういえば、レベルの同じモンスターを素材にするとダークシンクロの結果はゼロになるはずだけど、これはどういうことなのかな。
[それは最初から『せんせー』の勘違いですよ。エクシーズ召喚はシンクロ召喚とは関係のない召喚方法です。この通り、エクシーズ素材を墓地へ送らずカードの下に重ねていますから、これだけでも違いがわかるでしょう]

本当だ。よく見ると、ダークシンクロとは星のデザインが違うね。
[デザインが完全に同一であったところで、別物は別物です。とはいえ、星の数を揃えて素材にするという意味では、シンクロ召喚と似ているので理解しやすいかもしれませんね]
さっぱり理解できないけどね。こんなモンスターが出ていたとは知らなかったよ。
[しかし、知らなかったこととデュエルの進行とは関係しません。見世物としてもこのあたりで十分でしょう。わたしは手札もなく戦闘でも勝てそうにないので、ターンエンドします]
ぼくのターン。ドロー。
/友:手札0 LP8000 ガチガチ(守備/2)グレン(2)
/せ:手札3 LP8000 リフレクト(守備)不協和音 しきたり 伏せ×1
それじゃあ、ドローフェイズの段階で伏せカードの《無差別破壊》を発動しよう。

[構いませんが、そんなネタカードを使ってどうするつもりだったのでしょうか]
【神炎皇ウリア】のいいところは、何となく使ってみたい永続トラップを何となく入れてもバチが当たらないところだよ。スタンバイフェイズ、《無差別破壊》の効果発動! ダイスロール!
[《無差別破壊》はサイコロを振るカードであって、別のゲームを始めるカードではなかったはずですが]
これは単なる掛け声さ。サイコロの目は……
[どうやら2ですね。しかし、『せんせー』。この手のギャンブルカードはご都合主義な展開を生むのに便利すぎるため、できれば使わないほうがいいでしょう]
それもそうだね。今後は気分次第で控えておくとして、とりあえず今この場では《ガチガチガンテツ》を破壊させてもらおう!
[《ガチガチガンテツ》をその程度で破壊できると思ってもらっては困りますね]
そのカードテキストなら、さっき見たところだから覚えているよ! 『破壊される場合、代わりにエクシーズ素材を取り除くことができる』! ……エクシーズ素材を取り除く? 何だか、どこかで聞いたような表現だけど……。
[それはおそらく『わたし』からでしょうね。その通り、《ガチガチガンテツ》は単なる破壊効果には負けません]
だけど、その効果はエクシーズ素材あってのものだ! 残り二つのエクシーズ素材を一つに減らしてもらおうか!
[『せんせー』。それでは、デュエル前に切って捨てられたルール説明を再開しましょう。エクシーズモンスターはレベルを持たないモンスターです]
……なにを言っているのかな。いや、そうか。ダークシンクロモンスターに似たデザインということは、そのレベルは−2ということか!
[それは早合点の早とちりですね。繰り返し言いますが、エクシーズモンスターはレベルを持ちません。この左から並んだ星は、レベルではなく/
ちょっと待った。言っている意味がまるでわからないよ。
[つまり、《無差別破壊》が何度発動しようと、エクシーズモンスターが破壊されることはありません]
なるほど、理解したよ。それじゃあメインフェイズ、《メタル・リフレクト・スライム》と《宮廷のしきたり》と《無差別破壊》を墓地に送って《神炎皇ウリア》を特殊召喚するよ。
[どうぞ]

《神炎皇ウリア》の攻撃力は3000! バトル! とりあえずは攻撃表示の《グレンザウルス》に攻撃!
[普通に戦闘破壊されます]
よし……何となくわかってきたよ。エクシーズモンスターはシンクロモンスターよりも弱い存在のようだ! これでターンエンド!
[わたしのターン。ドロー。カードを伏せてターンエンドです]
ぼくのターン! ドロー!
/友:手札0 LP7400 ガチガチ(守備/2)伏せ×1
/せ:手札3 LP8000 ウリア(3000)不協和音
メインフェイズ!
[どうぞ]
《神炎皇ウリア》の効果発動! きみの伏せカードを破壊する! この効果に相手の魔法・罠がチェーン発動することはできない!
[では仕方ありませんね。発動したくても発動できなかった《リミッター・ブレイク》は破壊されます]
そのカードは!
[デッキより《スピード・ウォリアー》を特殊召喚!]

どうしてそんなカードがあるのか……いや、推測するだけ無駄だね。バトル! 《神炎皇ウリア》で守備表示の《スピード・ウォリアー》を攻撃だ!
[《スピード・ウォリアー》は破壊され墓地に送られます]
さらにカードを1枚伏せてターンエンド!
[わたしのターン。ドロー]
/友:手札1 LP7400 ガチガチ(守備/2)
/せ:手札2 LP8000 ウリア(3000)不協和音 伏せ×1
[《不協和音》の効果は次のターンが終われば消えますね。しかしそれはどうでもいいことです。《カードガンナー》を召喚!]
インチキ効果を使う気か!
[召喚を妨害しないようですね。それでは効果を使いましょう。コストとしてデッキの上から《グローアップ・バルブ》、《ボルト・ヘッジホッグ》、《ボルト・ヘッジホッグ》の3枚を墓地に送ります]

……なにか違和感があるな。何だろう?
[シンクロ召喚できない今この時にチューナー関連のカードばかりが墓地へ送られたからでしょうね。《グローアップ・バルブ》の蘇生効果発動。妨害があればどうぞ]
妨害したくなったら口を挟むから、それまでは自由にやってくれて構わないよ。
[わかりました。ではデッキの上に偶然控えていた《ネクロ・ガードナー》を墓地に落としつつ自己再生。チューナーがいることで墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》の効果を発動。自己再生。もう一体も自己再生します]

構わないよ。
/友:手札0 LP7400 ガチガチ(守備/2)ガンナー バルブ(守備)ボルト(守備)×2
/せ:手札2 LP8000 ウリア(3000)不協和音 伏せ×1
[では、レベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》と《ボルト・ヘッジホッグ》をオーバーレイ! 二体目の《ガチガチガンテツ》をエクシーズ召喚!]
構わないけど……エクシーズ召喚は同名モンスターでしか行えないのかな?
[そんなことはありませんよ。今回はこれでターンエンドです]
ぼくのターン! ドロー!
/友:手札0 LP7400 ガチガチ(守備/2)×2 カードガンナー バルブ(守備)
/せ:手札3 LP8000 ウリア(3000)不協和音 伏せ×1
メインフェイズに《マジック・プランター》を発動! 期限切れ直前の《不協和音》を墓地に送って2枚ドロー! バトルフェイズに《神炎皇ウリア》で《カードガンナー》を攻撃!

[攻撃力は4000ですか。甘んじて受けておきましょう]
素材を2枚持った《ガチガチガンテツ》が二体ということは……《カードガンナー》の攻撃力は1200だったから、2800の超過ダメージだ。
[そして、《カードガンナー》が破壊されたことでカードを1枚ドローします]
構わないよ。カードを2枚伏せてターンエンド。
[わたしのターン、ドロー]
/友:手札2 LP4600 ガチガチ(守備/2)×2 バルブ(守備)
/せ:手札2 LP8000 ウリア(4000)伏せ×3
[さすがに、エクシーズ召喚だけではうまく戦えそうにもありませんね]
それはそうだろうね。《ガチガチガンテツ》にしても《グレンザウルス》にしても、とても戦闘能力が高いとは言えないな。高攻撃力の《神炎皇ウリア》には/
[メインフェイズに魔法発動。《ブラック・ホール》です]
……どうぞ?
[では場のモンスターすべてが破壊され墓地に送られたところで/
ちょっと待った! きみの場の《ガチガチガンテツ》はエクシーズ素材と破壊耐性効果を持っている! それを使えばまだ生きられるはずだ!
[ええ。たしかに本人たちもそう言っていたのですが、ただ頑丈な程度で《ブラック・ホール》に耐えられるはずはありませんからね。『代わりに取り除くことができる』ということは、取り除かずに見捨てることもできるわけです。場持ちが良すぎて邪魔になってきたため、そろそろ休んでもらうことにしました]
そんな! 何のための……そのカードは!
[手札から《貪欲な壺》を発動。天敵の《不協和音》が消えた今、もはやシンクロ召喚をためらう必要はありませんね。墓地の《TG ワーウルフ》二体と《ガチガチガンテツ》二体と《グレンザウルス》一体を選択し、デッキとエクストラデッキに戻して2枚ドロー]
おっと! だけど、ぼくの場には伏せカードがあるんだよ!
[しかし、間違っても《不協和音》を複数入れたデッキは存在しないでしょう。それでは、わたしは《ジャンク・シンクロン》を召喚します。効果で墓地の《グローアップ・バルブ》を特殊召喚]

構わないよ。つまり、こういう場だね。
/友:手札1 LP4600 ジャンクロン バルブ
/せ:手札2 LP8000 伏せ×3
[そういう場ですね。さらに墓地からの特殊召喚成立により手札の《ドッペル・ウォリアー》を特殊召喚!]
どうぞ。

[そして場にチューナーがいることにより、墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》を特殊召喚]
ちょっと待った。
[チェーン発動ですか。どうぞ]
墓地を確認するよ。……きみの墓地には自己再生効果を使用済みの《ボルト・ヘッジホッグ》が二体いるようだけど、これらは本来除外されているはずだよ。
[……なるほど。『せんせー』。模範的な勘違いをしていただいたところでですが、エクシーズ召喚のルールに従った場合、《ボルト・ヘッジホッグ》は除外されることがありません]
おっと、ワガママルールの発動は認められないな。自己再生した《ボルト・ヘッジホッグ》は、除外を封じられない限りは直接墓地に行ったりしないよ。

[わかりました。その点については次回で説明しましょう。このデュエルにおけるジャッジはわたしなので、《ボルト・ヘッジホッグ》は問題なく蘇生できます]
そんな馬鹿な!
[《ボルト・ヘッジホッグ》を墓地より特殊召喚。レベル2《ドッペル・ウォリアー》とレベル2《ボルト・ヘッジホッグ》にレベル1《グローアップ・バルブ》をチューニング!]
……仕方ない。次回で事情を聞くとして、今はシンクロ召喚を受け入れるとしよう。
[『リミッター解放、レベル5! レギュレーターオープン! スラスターウォームアップ、オーケー! アップリンク、オールクリアー! GO! シンクロ召喚! カモン!《TG ハイパー・ライブラリアン》!』]
どうぞ。

[《ドッペル・ウォリアー》の効果発動。シンクロ素材となったことで、ドッペル・トークンを二体場に出します]
構わないよ。
[さらに墓地に残るもう一体の《ボルト・ヘッジホッグ》の効果発動! 場にチューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》がいることにより自己再生。そしてレベル2《ボルト・ヘッジホッグ》にレベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング! 『集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ! シンクロ召喚! いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!』]
さらにパワーアップ効果……これは強くないかな。

[《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果発動! そして《ジャンク・ウォリアー》の効果発動!]
一向に構わないよ。
[では弱小トークンの存在により《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力は3100に。そしてカードを1枚ドローします]
……あれ?
[ドローした《死者蘇生》を発動。墓地の《グローアップ・バルブ》を特殊召喚して/
ちょっと待った。サレンダーしてもいいかな。
[お断りですよ。レベル1のドッペル・トークンにレベル1《グローアップ・バルブ》をチューニング! 『集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》!』……二体の効果で2枚ドローします]

そんな! てっきり、今回は初出のエクシーズ召喚が中心かと思っていたよ!
[新しく出たものが必ず主体になるとは限りませんよ。/それでは、勝たせてもらうのですよー!]
ここにきてキャラを変える意味がわからないな。
[レベル5の《TG ハイパー・ライブラリアン》とレベル5の《ジャンク・ウォリアー》にレベル2の《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング! 『集いし星が一つになるとき、新たな絆が未来を照らす! 光さす道となれ! リミットオーバー・アクセルシンクロ! 進化の光、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!』]
……うん。
[バトル! 高攻撃カモンスターで『せんせー』にダイレクトアタックーッ!]
甘んじて受けよう。

/友:手札2 LP4600 シューティング・クェーサー・ドラゴン ドッペルトークン
/せ:手札2 LP4000 伏せ×3
[そして、再び『せんせー』にダイレクトアタックーッ!]
それじゃあ、攻撃宣言時の優先権を貰うよ。
[どーぞー]
そして貰った優先権を捨てる。はっきり言おう。発動を無効にする攻撃力4000の二回攻撃モンスターなんて、守備モンスターなしには耐えられないよ。
/友:手札2 LP4600 シューティング・クェーサー・ドラゴン ドッペルトークン
/せ:手札2 LP0000 伏せ×3
[ふむー。『せんせー』。伏せカードは何だったのでしょーかー?]
それは秘密だよ。次回でもデュエルをするはずだからね。
[そーですねー。それではー、次回はきちんとエクシーズ召喚の説明をしてあげるのですよー]
それよりも、次回では話しかたを戻してくれないかな。
[また次の機会にー]
駄目だ……完全になりきっている。
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せんせーとわたしの術計変遷(その1)

(奇を衒うほど弱点は増える。戦うための条件は相手の存在を認めること)『サイドデッキ』
「せんせー! 今回はサイドデッキの話なのですよー!」
……そうだね。
「どーしたのですかー?」
どうやら普通に戻ったようだね。それじゃあ話を始めようか。
「サイドデッキは、メインデッキ40枚に対して15枚で組むのですよねー」
正確には15枚までで、だよ。エクストラデッキと同様、サイドデッキの枚数は0枚でも構わない。
「しかし、サイドデッキはあればあるほどいーですからねー」
まあ、あって困るようなものでもないね。サイドデッキに入れようと思うカードがなくても、一応は用意しておいたほうがいいかな。
「せんせー。使いたいカードがなければ、用意はできないのですよー?」
だから、適当に手持ちのカードを引っ張り出して、見た目だけは15枚きっちりと用意しておくんだよ。
「見た目だけということはー、ほんとーは16枚用意するのですねー?」
ジャッジを呼ぼう。どこにいるかな。
「どこにもいないのですよー」
どこにもいないとしても、それは不正だから駄目だね。もちろん禁止・制限・準制限の約束を破っても駄目だ。
「ふむー。めんどーですねー」
サイドデッキは使う当てがなくても用意しておくべき、というのは、もしも自分のサイドデッキが0枚だった場合、相手が有利になるからなんだ。
「そーなのですかー? サイドチェンジで自滅する可能性はなくなりますからー、自分が有利になるかもしれないのですよー」
何の話をしているのかな。
「せんせーの話なのですよー」
……そろそろ、ぼくたちのキャラ設定は生まれ変わるべきじゃないかな。
「そーかもしれませんねー」
ともかく、サイドデッキは15枚用意できるのなら15枚用意したほうがいい。そして、さらにできるのなら、その内容は相性の悪いデッキへの対策を中心にするといい。
「相性の悪いデッキですかー。そんなデッキはありませんねー」
ないはずがないよ。とりあえず、大抵のデッキでは《次元の裂け目》が致命的になるから、魔法・罠破壊の《ツイスター》や《砂塵の大竜巻》をサイドデッキに入れることが多いかな。

「なるほどー。《砂塵の大竜巻》で相手の《次元の裂け目》を破壊して、さらに《ツイスター》で自分の《砂塵の大竜巻》を破壊するのですねー」
その《ツイスター》は、ライフポイントを調整するために使ったのかな。
「いーえ、ついでに発動したのですよー」
《冥府の使者ゴーズ》のために場を空けたんだと信じておこう。そうそう、相手が一気呵成に攻めてくるデッキの場合には、このゴーズや《バトルフェーダー》あたりを用意しておく手もあるね。

「せんせー。ゴーズは最初からデッキに入るのではー?」
そうすることが一般的だね。《冥府の使者ゴーズ》は制限カードだから1枚しか使えないものの、実は1枚も持っていないとしても相手が勝手に警戒してくれるほどの存在感と危険性を持ったカードだ。手札から効力を発揮する以上、その対処のしにくさは魔法や罠の比じゃないな。
「相手の加速を潰して、自分が加速するのですねー」
加速できるかはともかく、《冥府の使者ゴーズ》や《バトルフェーダー》は相手の計算を狂わせる。そして場に残るから、うまくすれば逆転の布石にもなってくれるだろうね。
「わかりましたー。《バトルフェーダー》はメインデッキに3枚入れたのですよー」
それは入れすぎじゃないかな。
「そーですかねー。サイドデッキにも3枚入れたのですけどー」
ジャッジはどこかな。ちょっと失格にしてもらおう。
「どーしたのですかー?」
きみがどうかしているんだよ。メインデッキとサイドデッキは、合わせて一つのデッキなんだ。だから同じカードを4枚以上入れることはできない。
「禁止カードを入れてもいけないのですかー?」
いけないよ。プロキシカードもオリジナルカードもトークンカードも入らない。……どうやら、また性能が落ちてきたようだね。
「エクシーズ素材がどこかに飛んで行ったのですよー」
よくわからないけど、飛んで行ったのは頭のネジじゃないのかな。
「せんせー。サイドデッキには《冥府の使者ゴーズ》と《バトルフェーダー》と《ツイスター》と《砂塵の大竜巻》と《次元の裂け目》を3枚ずつ入れればいーのですかー?」
色々と間違っているよ。とりあえず制限カードは1枚しか入れてはいけない。あとは……そうだね。自分が罠を使わないデッキなら、《王宮のお触れ》や《人造人間−サイコ・ショッカー》を用意しておくと二戦目からが有利になるよ。

「ははー。しかし、《王宮のお触れ》の効果は《人造人間−サイコ・ショッカー》で無効になるのですよー」
その場合、結局罠は無効にできているんだから、なにも問題はないはずだよ。
「そーですかねー?」
サイドデッキをきちんと用意する場合、内容の多くは【メタビート】で使われるようなカードたちか、二戦目以降に戦術を切り替えるための『第二のデッキ』になるだろうね。ぼくが好きなのは『第二のデッキ』のほうだけど、実際に必要とされるのは【メタビート】要素のほうかな。
「せんせー。先に【メタビート】の話をするべきなのですよー」
一度した話はもうしないよ。同じ結論が出ても別の結論が出ても、必ず失うものがあるからね。
「…………オーバーレイ!」
……段々と、話にまとまりがなくなってきているね。
「せんせー! サイドデッキが0枚の場合には、どーして相手が有利になるのですかー?」
おっと。急に正常になってきたね。
「再度エクシーズ召喚しましたからねー。オーバーレイ・ユニットが戻ってきたのですよー」
わかった。意味がわからないけど質問に答えよう。これは簡単な話で、自分がメインデッキ40枚、サイドデッキ0枚で戦いを挑んだ場合、サイドデッキを使うことは、もちろんできないね。
「そーですねー」
ということは、一戦目で相手がどれだけ相性の悪いカードを使おうと、二戦目以降に相手がどんなサイドチェンジを行おうと、一切対応することができないわけだ。たとえ《次元の裂け目》や《スキルドレイン》や《王宮の弾圧》で戦術を潰されたとしても、追加の《ツイスター》や《砂塵の大竜巻》で対抗することができない。
「せんせー。それでも、メインデッキに《サイクロン》はあるはずなのですよー」

《サイクロン》は必須カードだから、おそらくデッキには入っているだろうね。だけど、相手が異常なまでに妨害系永続カードばかりを用意していた場合、ただのメインデッキではそのすべてを駆逐することができない。《ツイスター》や《砂塵の大竜巻》をあらかじめ多く入れているはずもないから、つまり、サイドデッキがないと、できたはずの対策ができなくなるんだ。
「それはそーですけどー、そのくらいは最初からわかっていたのですよー」
まあ、これはサイドデッキが0枚の場合に自分が不利になる話だね。一方で、どうして相手が有利になるのかと言うと、それはデュエル前にサイドデッキの枚数を確認し合うルールがあるからだ。
「互いにサイドデッキを見せ合うのですねー?」
オーバーレイ・ユニットとやらが外れているんじゃないかな。言っていることは間違いでもないけど、あくまで確認し合うのは枚数だけだよ。中身を見せる必要はない。
「そーなのですよー」
またしても壊れてきているね。一定時間が経つと壊れる仕組みなのかな……。
「そーなのですよー」
それじゃあ手早く済ませよう。サイドデッキの枚数はデュエルを始める前に相手に知れてしまうから、こちらが0枚だとわかった相手は、デュエル中にこちらのデッキ内容を1枚でも多く把握しようとしてくる……かもしれない。
「かもなのですかー?」
相手のデッキを観察して観察して観察しなくても、使っているカードを10枚ほど見れば、大体のデッキ構成は読めるからね。
「そーですかねー? そんなことはないのですよー」
ええと……とにかく、サイドデッキは相手の……あれ、何の話だったかな。
「せんせーのエクシーズ素材を貰ったのですよー!」
なにを言っているのかわからないけど、そろそろ話を畳もうか。
「つまりですねー、サイドデッキは伏せカードのよーに『よくわからないけどきっと厄介』と思わせる存在ですからー、それがないと相手の警戒心がなくなるのですよー」
ちょっと待った。伏せカードがなくても《冥府の使者ゴーズ》が登場するように、サイドデッキがなくてもリストバンドにカードを/
「警戒心のない相手は好き勝手に攻めてきますからねー。その勢いをしのげずに負ければ、第二戦からは相手だけがサイドチェンジしますからー、さらに不利な戦いになるのですよー」
しのげればいいわけだね。
「いーえ、攻撃をしのいだとしても、戦いが長引いただけ、相手はこちらのデッキを把握してしまうのですよー。つまり、サイドデッキのない戦いは、戦う前から不利なのですよー」
なるほど。つまりはハンデ戦ということだね。格好良いじゃないか。
「自分から勝手に仕掛けるハンデ戦は、ただの自己陶酔なのですよー?」
おっと《マインドクラッシュ》だ。心が砕けて動けないよ。
「ははー。大変ですねー。エクシーズ素材を返してあげるのですよー」
……そうそう。あとは予備知識として、サイドデッキには融合モンスターやシンクロモンスターを入れることもできる。もちろん、それらを使うとなると、メインデッキではなくエクストラデッキと入れ替えることになるけど、できればサイドデッキには融合やシンクロよりも普通のカードを入れておこう。エクストラデッキの内容を入れ替えるよりも、メインデッキの内容を入れ替えるほうがデュエルには勝ちやすくなるからね。
「せんせー! エクストラデッキにふつーのカードを入れておいてですねー、エクストラデッキとサイドデッキを入れ替えたあとでサイドデッキとメインデッキを入れ替えれば、15枚を越えたサイドデッキが/
レッドカード。退場を言い渡そう。
「駄目なのですかー?」
駄目だよ。どうしてできると思ったのかな。
「どーしてできないと思ったのですかー?」
実際にできないからだよ。エクストラデッキに入れていいのは融合モンスターとシンクロモンスターだけだ。例外は認められない。
「せんせー! エクシーズモンスターも入れられるのですよー!」
オリジナルカードも使えないよ。
「ほんとーにあるのですよー!」
はいはい。それじゃあ、また次の機会にでも話を聞いてあげよう。
[また次の機会にでも懺悔を聞いてあげましょう]
……おや? あれ? ようやく出てきたのかな。
[では失礼]
ああ! 待った! 置いていかないでくれ!

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せんせーとわたしの感染掌握(その1)

(デッキに触れないデッキ破壊。無縁な場と手札は荒れ気味)『ウイルスカード』
「せんせー! 今回も一話限りの話なのですねー?」
そうだね。今回話すのは、かの社長が使ったとされる《死のデッキ破壊ウイルス》だよ。

「せんせー! これは禁止カードなのですよー!」
その通り。《死のデッキ破壊ウイルス》は、自分の弱小闇属性を生け贄にして相手の強力モンスターを全滅させるという、冷静に考えればありえない理不尽さを持ったカードだ。よって禁止指定を受けているね。
「場と手札を破壊した上に、相手のドローカードも潰しますからねー」
このカードを発動するタイミングは、基本的には相手ターンになるだろうね。そして《死のデッキ破壊ウイルス》は相手のエンドフェイズを三回迎えるまで、相手が引いたカードをすべてじろじろと見た上で攻撃力1500以上のモンスターは粉砕してしまうという、やはり理不尽な追加効果を持っている。
「高攻撃力モンスターが全滅すると、とても戦えないのですよー」
しかし高攻撃力モンスターしか狙えないから、相手の場に弱小モンスターしかいないうちは《死のデッキ破壊ウイルス》を使うべきじゃないかな。ただとりあえずで使ってしまうと、破壊されなかった弱小モンスター同士が結託してシンクロしてくる可能性があるからね。
「新しく場に出たカードには、ウイルスが効きませんからねー」
ということで、《死のデッキ破壊ウイルス》は相手の出方を窺って使うべきだ。しかし、実際には出方を窺って強力モンスターを狙い撃ちにしたところで、決していい結果には繋がらないけどね。
「そーなのですかー? 相手が強力モンスターを出したところで《死のデッキ破壊ウイルス》を使うのは、いー戦術だと思うのですけどー」
しかし、本当の実際で考えた場合、《死のデッキ破壊ウイルス》は禁止カードなんだから、使ったところで待っているのは相手のにこやかな糾弾だよ。禁止だと知らなかったのならそのデュエルやマッチ戦に負ける程度で許してもらえるだろうけど、知っていた場合はそのデュエルやマッチ戦に負けた上で許してもらえないだろうからね。
「それは大して変わりませんねー」
自覚があろうとなかろうと、大した違いはないからね。とにかく《死のデッキ破壊ウイルス》は使えない。使えないけど、それでもどうしてもデッキ破壊ウイルスを使いたいという場合は、別のカードを使うとしよう。
「すると、《魔のデッキ破壊ウイルス》あたりなのですかー?」
そのあたりだね。《魔のデッキ破壊ウイルス》は《死のデッキ破壊ウイルス》と違って攻撃力2000以上の闇属性モンスター、つまり十分に戦力として使える味方を犠牲にしないと使えない。だけど、その効果は絶大だ。
「こちらは攻撃力1500以下を破壊するのですねー」

《魔のデッキ破壊ウイルス》は、この特性上相手のドローフェイズあたりに発動してもいいかな。相手がスタンバイフェイズに自己再生するモンスターを使っている場合や、召喚権を無駄に使わせたい場合ならメインフェイズに使うのもありだけどね。攻撃力の高いモンスターがあとから攻撃力の低い厄介なモンスターに化けることはまずないから、《死のデッキ破壊ウイルス》ほどに発動タイミングを考える必要はない。とりあえず、相手がシンクロ召喚でもしそうな時に発動すれば、いい結果が得られるよ。
「しかし、相手の場の裏守備モンスターが怖い場合は、メインフェイズ前に使いたいですねー」
前回の話を引きずっているのかな。たしかに、スタンバイフェイズまでに発動しておくか、メインフェイズ以降に発動するかは考え物だけど、それ以上に考えるべきこともあるよ。
「攻撃力2000以上のモンスターをリリースすることですかー?」
その通り。《魔のデッキ破壊ウイルス》は高攻撃力モンスターを犠牲に発動して、低攻撃力モンスターを潰すカードだ。つまり、搦め手を絡め取るためだけの存在だね。だから押し負けている状況では使えず、ある程度優勢な状況で使うとしても、攻め手を失うから抵抗感を伴う。
「すると、どーいう状況で使うのですかー?」
まずは、自分が複数体の高攻撃力モンスターを出している時の駄目押しかな。これはわかりやすいね。次に考えられるのは、劣勢の場をより悪化させてでも、相手の加勢を潰しておきたい時かな。そのどちらでもなく、攻撃力2000以上の闇属性を何度でも自己再生できるデッキに組み込むという手もあるけどね。この場合、実質的にはコストを払わず発動できるから強力だ。
「せんせー。そんなデッキはどこにもないのですよー」
すでに話した【不死武士】デッキがあるよ。
「ふむー? そんなカードがありましたかねー?」
まさか、覚えていないと言うつもりかな。
「そーですねー。まったく知りませんねー」
…………。何だか、急に調子が下がったようだね。とりあえず話を勧めると、デッキ破壊ウイルスにはもう一種、モンスターではなく魔法か罠を破壊する《闇のデッキ破壊ウイルス》がある。

「せんせー! デッキ破壊ウイルスとは何なのですかー?」
その質問が本気だとしたら、とてもピンポイントレッスンは成り立たないね。
「ピンポイントレッスンなのですかー。なるほどー」
…………。新手のキャラぶれかな?
「キャラぶれですかー? せんせーなのですねー?」
ちょっと待った。きみはさっきからなにを話しているのかな。
「せんせー! せんせーがせんせーなのですよー!」
うわ。壊れた。
「オーバーレイ・ユニットはどこなのですかー?」
頭をぶつけたか、偽物のクリアマインドにでもなったようだね。構わずに話を勧めよう。
「レベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》二体をオーバーレイ!」
《闇のデッキ破壊ウイルス》は、《死のデッキ破壊ウイルス》や《魔のデッキ破壊ウイルス》と違って魔法か罠のどちらかを選んで狙って破壊する。安全に攻め込みたい場合は罠を、相手の力を削ぎ落としたい場合は魔法を選ぶことになるかな。
「せんせー! せんせーを削ぎ落としてあげるのですよー!」
…………。ただし、これは魔法か罠かその場で好きじゃないほうを選べる代わりに、モンスターは倒せないというウイルスらしからぬ欠点もある。そしてもう一つ、生け贄は攻撃力2500の闇属性という、犠牲にしたくないステータスのものに限られてしまう。
「《G・コザッキー》を使えばいーのですよー!」
おっと。狂っているかと思えば、突如正解を言ってくれたね。その通り。もしもデッキ破壊ウイルスばかりを使おうと思えば、そのパートナーにいいのは攻撃力2500の下級モンスター《G・コザッキー》だ。もっとも/
「このカードを攻撃表示で出して、ダイレクトアタックなのですよー!」
待った。その場合はこのカードが自殺して自分にダイレクトダメージだよ。出す時は裏側で出して、できるだけ迅速にウイルスの媒体にしてしまおう。

「ははー。しかし攻撃力2500では、《死のデッキ破壊ウイルス》の生け贄には使えませんねー」
大丈夫かな……きみは生け贄をリリースと呼んでいたはずだよ。そして《死のデッキ破壊ウイルス》は禁止カードだ。
「破ってこそのルールなのですよー!」
頼むから、ルールとマナーだけは守ってくれないかな。でないと楽しいデュエルは訪れないよ。
「レベル4の《G・コザッキー》にレベル4の《G・コザッキー》をチューニング!」
おそろしいまでの壊れぶりだね。これは、ウイルスカードの話だからなのかな……?
「《G・コザッキー》を《魔のデッキ破壊ウイルス》の生け贄に使いつつ、《闇のデッキ破壊ウイルス》のリリースにも使うのですよー!」
待った。基本中の基本として、一つのカードを同時に複数のコストに使うことはできないよ。
「いーえ、できるのですよー!」
できると主張しても、できないことはできないよ。
「わたしのメインフェイズー! 優先権を放棄してシンクロ召喚するのですよー!」
メインフェイズにいきなり優先権を放棄すると、バトルフェイズかエンドフェイズに移るだけだよ。
「いーえ、シンクロ召喚するには必ず優先権を放棄しなければならないのですよー!」
それは勘違いだよ!
「チューニング! オーバーレイ! リリース! 生け贄! かっとビングなのですよー!」
誰か助けてくれ! ……そうだ! 『また次の機会に』!
「せんせー! 次の機会はないのですよー!」
どうして出てこないんだ! ええい、こうなれば……。
「レベル8の《スターダスト・ドラゴン》と《レッド・デーモンズ・ドラゴン》をオーバー/
この話はここで終わりだよ! また次の機会にね!
「せん/
終われ!
「せ/
終われ!
「/
終われ!
「 」
……よし。何とかなったか。
「 」
できれば、次の機会までには持ち直していてほしいね。
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せんせーとわたしの投げ捨てる勝負(その1)

(命を賭けたダイスロール。寿命は互いの運次第)《ダイス・ポット》
「せんせー! 今回の話は何なのですかー?」
今回の話は、次回に続かない話だよ。
「ははー。今回もですかー」
ここのところ、その流れが多いようだね。ちなみに、この次の話も一本立てになる予定だよ。
「ふむー。今回もデュエルモンスターズのよーですけどー、遊戯王らしくはありませんねー」
何のことを言っているのかな。
「遊☆戯☆王らしくはあるのですけどー」
そんなことはないよ。今回紹介するカードは《ダイス・ポット》。原作漫画には出ていないはずのカードだ。

「……せんせー。このカードの画像は、載せるべきではないのですよー」
まあ、愛らしさのあまりショック症状を引き起こしかねないね。もちろん、これは冗談だよ。
「そーなのですかー? せんせーの好みなのではー?」
ぼくは……おっと、危ない。絵についての趣味をとやかく言う必要はないね。《ダイス・ポット》の効果は、全効果分類中もっとも分かりやすいと言える『リバース効果』だ。
「たしかにリバース効果は簡単ですねー」
『リバース:』と書かれている効果はすべてリバース効果であり、モンスターが裏側表示から表側表示になった時に発動する。それ以外に『リバースした時〜』と書かれている効果は、違いが見つからないほど似ているけどリバース効果ではない。これだけ知っておけば、もうリバース効果については問題ないね。
「しかし、リバース効果は相手のターンに発動することが多いですからー、狙ったタイミングでは使えませんねー」
それはどうかな?
「どーなのですかー?」
たしかに、リバース効果を使う場合は裏側守備表示で場に出す必要があるから、自分のターンでうまく発動することは難しい。
「次のターンに攻撃されますからねー」
だけど、それはつまり、相手が攻撃したタイミングでこそ使いたいリバース効果は、狙い通りに使いやすいということだよ。
「そんな効果があるのですかー?」
《ペンギン・ソルジャー》の効果は……それほどでもないか。なにかいい例はないかな。
「《チュウボーン》はどーですかねー?」
それはなにかな? そんなカードはどこの世界にもないようだけど……。
「/せんせー。リバース効果は自分のターンに使ってもいーのではー?」
それは……ううん。言われてみれば、そうかもしれないかな。ただ、バトルによってリバース効果モンスターが表側になった場合、効果が発動するのはダメージステップだから無効化されにくいということは、一応利点になるのかな。
「ふむー。びみょーですねー」
まあ、それは本題から逸れることだね。話を《ダイス・ポット》に戻すと、このカードは、ある意味では最高の直接ダメージ効果を持つ。
「6000ダメージですからねー」
《ダイス・ポット》のリバース効果が発動した時、お互いのプレイヤーはどれだけイヤイヤをしても手元のサイコロを真っ二つにしたとしても、必ずきちんとサイコロを振り合わないといけない。そして、その数字が小さい者は、大きい者の出した目×500のダメージを受けることになる。
「この効果は、決して引き分けを認めないのですねー……」
そうだね。認めないではないけど、その場合は何度でも引き分け再試合をするよ。だから、お互いのライフポイントが1000以下だった場合は、この効果で必ず決着がついてしまう。
「リバース効果で決着するのは、びみょーなのですよー」
特に《ダイス・ポット》の発動側がこれで敗北した場合、対戦相手はクエスチョンマークの虜になるだろうね。どうして《ダイス・ポット》を入れていたのか、どうして敗北の可能性がある状況で場に出したのか、そもそもどうやって《ダイス・ポット》で勝つつもりだったのか、というよりもどうして《ダイス・ポット》を使おうと思い立ったのか、疑問符を浮かべながらマッチ戦を続行することになるよ。
「その《ダイス・ポット》で、マッチ戦の決着がついているかもしれないのですよー」
その場合、疑問は永遠に解消されないね。まともなデッキに《ダイス・ポット》を組み込めば、そうやって相手の思考を乱すことができるかもしれないな。
「それはただの嫌がらせなのではー?」
そうとも言い切れないよ。《ダイス・ポット》の効果の一番決定的なところ、あるいは致命的なところは、サイコロの目が6だった場合の特別処理だ。もちろん、お互いに6が出れば引き分けだからやり直しになる。だけど、片方だけが6で決着した場合には、6×500の3000ダメージではなく、例外的に6000ダメージを受けることになるのさ。
「初期ライフポイントは8000ですからー、完全に致命的ですねー」
完全にとは言えないけど、昨今のデュエル事情はライフポイントを軽視する方向にあるからね。ライフコスト1000や2000のカードを使うことにもためらいがなく、攻撃力2000を超えるダイレクトアタックを受けても、死ななければとりあえず大丈夫と捉える風潮が流行っている。それは間違いではないからこそ流行っているわけだけど、しかし一度《ダイス・ポット》に出会えば、一気に身が引き締まる、というか凍りつくね。
「……なるほどー。《ダイス・ポット》は、マッチ戦では強いカードかもしれませんねー」
特別ルールを敷かない限り、通常のデュエルはすべてマッチ戦だよ。そして、その一戦目で《ダイス・ポット》の姿を見ようものなら、以降の相手は戦術を三つに縛られる。一つ目は、裏側守備モンスターを見れば表になる前に片っ端から叩き潰す戦術。二つ目は、ライフポイントをとてもとても大事に扱う戦術。そして三つ目は、危険を承知であくまで自分の戦いを貫く戦術。実際にやってみれば、一番多いのは三つ目の戦術になるだろうね。
「そーですかねー? 一瞬で敗北するかもしれませんからー、同じ戦術は取れないのではー?」
それは逆だよ。《ダイス・ポット》を恐れて自分に歯止めをかけたところで勝ち目はない。むしろ、四つ目の方法として、速攻戦術を仕掛けて《ダイス・ポット》側のライフポイントを6000以下に減らすやりかたもありえるかな。
「なるほどー。《ダイス・ポット》を使いたくても使えない状況にするのですねー」
だからと言って使うのをやめるようなら、そもそも最初から《ダイス・ポット》を使うはずがないけどね。相手にプレッシャーをかける意味で《ダイス・ポット》を使うのなら、使い手に躊躇の二文字は決してない。仮に自分のライフポイントが100で相手のライフポイントが8000だろうと、《ダイス・ポット》を裏守備にしない理由にはならない。というよりも、とりあえず《ダイス・ポット》を裏守備にしよう。ぜひそうしよう。そうした上で、どうやってその場を乗り切るか考えよう。
「せんせー! それはとても危険なのですよー!」
自分がデタラメなプレイングをしていると見せつければ、さすがに相手も怯えるからね。《ダイス・ポット》を見て戦術を変える相手には、自分がプレイングを変えないことが一番のダメージになる。遊戯王は心理戦よりもカードパワーで戦うゲームだけど、このカードはその例に反して心理戦が仕掛けられる、珍しい存在だ。
「しかし、とてもやりたくない心理戦なのですよー」
まったくだね。それに、相手がそれでもあくまでマイペースを貫くプレイヤーだった場合、逆に怯えるのは《ダイス・ポット》を使う側になる。負けてもいいと思う人間ほど恐ろしいものはないからね。《ダイス・ポット》は使い手の危険をコストにして相手の危機感を煽るカードだ。しかしその効力は相手次第だから、効かなければ自分の身の危険だけが取り残される。
「せんせー? 《ダイス・ポット》の危険性は、自分も相手も平等なのですよー」
そんなことはないよ。こちらが《ダイス・ポット》をデッキに組み込んだ上での平等は、それがすでに不平等なんだ。デッキ構成を変える形でこちらが行動を起こしたとしても、相手はただそれを受けるだけだからね。いつだって労苦を払うのは加害者だけだ。その結果、使い手自身がダメージを受ければ、相手は被害者でも加害者でもない傍観者となる。
「ただの自滅ですからねー」
デッキ構成を風変わりにするリスクを払ったところで、《ダイス・ポット》の効果は、6の目が出ない場合はそれほどのものでもない。ランダムなダメージゆえに最大値を警戒してくれる相手か、ダメージを受ける側すらランダムなために《ダイス・ポット》を一切無視する相手か。使い手としては前者であることを期待したいところだけど、現実には、そもそも《ダイス・ポット》が毎度毎度手札にくるはずもないから、それだけで攻めを躊躇させるのは難しいだろうね。
「すると、《ダイス・ポット》をデッキに入れても、それほど心理戦にはならないのですかー?」
ところが、そうとも言い切れないんだ。デッキそのものを《ダイス・ポット》に全力で傾ければ、どんな相手でも無関心には振る舞えない。たとえば、自分のデッキを墓地に送って、複数の《ダイス・ポット》を目撃させる方法がある。
「それは、ひじょーに怖いですねー」
リバース効果モンスターには《ライトロード・ハンター ライコウ》という強力カードもある。このカードの効果でデッキに眠っていた《ダイス・ポット》が流出すれば、相手のプレッシャーになる上に、次に出す裏守備モンスターがどちらなのかわからないという混乱状態に追い込むこともできる。

「しかし、墓地に《ダイス・ポット》が流れれば、裏守備が《ダイス・ポット》の可能性は低いのですよー」
それじゃあ、続いて《貪欲な壺》を使えばどうかな。墓地に落ちた《ダイス・ポット》を回収したあとで裏守備モンスターを出せば、相手は恐慌状態に陥ってくれるはずだよ。

「とても悪趣味ですねー」
おっと。絵についてのコメントはするべきじゃないな。
「していないのですけどー」
…………。あとは、デッキサーチカードの《強欲で謙虚な壺》で《ダイス・ポット》を視認させつつ別のモンスターを守備表示、と思わせてやっぱり《ダイス・ポット》、といった風なプレイングをすれば、相手はぷるぷると震え始めるだろうね。

「やはり、悪趣味ですねー」
それには全面的に同意するよ。《ダイス・ポット》の最大の強さは、発動した効果が無効にでもならない限り、常に6000ダメージの可能性があることだ。可能性自体は低いけど、低いからこそゲームバランスを壊すとも思われず、こなみんから規制を受けていない。しかし低いながらに可能性は確かにあるから、実際に相対すれば手元のサイコロをかち割ろうという衝動に駆られかねないよ。
「しかし、せんせー。そもそも、このカードに特化したデッキは作れるのですかねー?」
作るだけなら簡単だよ。《ダイス・ポット》は墓地に送りやすい岩石族であり、攻撃力500以下のモンスターであり、何度裏になっても表になってもそのたびに効果が発動するモンスターだからね。前もって自分だけは効果ダメージを受けないように計らっていれば、デッキを組むこと自体は可能だ。
「なるほどー。せんせーが作りそーなデッキですねー」
残念ながら、今のぼくは卑怯設定を捨て去っているも同然だからね。《ダイス・ポット》を使えばきみの友達にも勝てるかもしれないけど、だからといってこれを使いはしないよ。
「そーなのですかー?」
そうだよ。……何だか、今回は不要な感じに話が延びたね。それじゃあ、また次の機会に。
「また次の機会にー」
……あれ? また出てこない?
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せんせーとわたしと神の異形(その1)

(破壊と不死の階級制度。その陽は落ち込み、天空の竜は幻のまま)『神のカード』
「せんせーっ! 今回は三幻神の話なのですかー?」
そうだよ。《オシリスの天空竜》、《オベリスクの巨神兵》、《ラーの翼神竜》からなる三体のモンスター群、通称三幻神の話さ。
「しかし、せんせー。《オシリスの天空竜》はまだOCGカードになっていないはずなのですけどー」
そうだね。だから今回は三幻神についてと言いつつ、実際は《オベリスクの巨神兵》と《ラーの翼神竜》の話しかできないことになる。
「それは意味があるのでしょーかー?」
それはわからないけど、どうしてなのか三幻神の話をすることになったからね。最近のぼくには自由に話題を選ぶ権利がないようだ。
「《オベリスクの巨神兵》と《ラーの翼神竜》だけで話をしますとー、《ラーの翼神竜》が使いにくいというだけの話になるのですよー」
まあ、そうだね。《オベリスクの巨神兵》はカード化される際にできる限り効果を再現されたカードだけど、一方で最上位の神たる《ラーの翼神竜》は過剰なまでの弱体化を受けている。この両者を並べてみると、『神のカードを使いたければオベリスクだけを使うべき』という話にしかならないからね。
「そんな話題は不毛なのですよー」
もっともだ。だから、今回は《ラーの翼神竜》から話を進めてみようか。

「駄目なカードから始めるのですかー?」
最大の問題を解決しない限り、すべての行為はその場限りの姑息療法だ。それじゃあ、今からは少しだけ、意図的にキャラを変えて話すよ。
「ははー。では、どーぞー」
神のカードの中の神のカード、《ラーの翼神竜》の持つ効果はいくつかあるけど、今回はそれを一つずつ順番に取り上げて説明してみよう!
「ふむー。少し勢いがついただけですねー」
まず、『このカードは特殊召喚できない』! さて、次の効果だけど/
「せんせー! 特殊召喚できない効果は一番の問題なのですよー!」
それは原作効果をイメージして考えるからそう思えるだけだね。実際に特殊召喚できないと書いてあるんだから、そこについて取り沙汰する必要はない。できないことはできないんだから、素直に通常召喚してどう活用するかと考えるべきじゃないかな。
「……しかしですねー。このカードは通常召喚する場合、三体もリリースする必要があるのですよー」
その通り! さすがは神と言うべきだね。三体のモンスターを生け贄に出てくるこの要素がなければ、とても神とは言えないな! そして次の効果も重要だね。『このカードの召喚は無効化されない』。原作とは違って、OCGでは『神だから』という理由で魔法も罠もモンスター効果も受け付けないなんてわがままは認められない。だけど、だからといって神が普通の効果であっさり葬られると興醒めだ。そこで《ラーの翼神竜》は召喚を無効にされない効果と、召喚時に自分以外の効果を発動させない効果を持っているわけさ。つまり、自分の格好良い登場シーンは誰にも邪魔させないというわけだね!
「せんせー。《ラーの翼神竜》は、召喚時以外ではふつーの魔法や罠やモンスター効果で/
さて、《ラーの翼神竜》は召喚時に自分以外の効果が発動することを認めない。自分以外が発動しないということは、このカードには召喚時に発動できる効果があるということさ! 《ラーの翼神竜》の特徴的な効果は二つある。そのうちの一つは、自分のライフポイントが相手を上回っていた場合、それだけで勝ったも同然になるというものだ!
「…………」
正確には、この効果は自分のライフポイントを100まで減らすことで、減らした数値をラーの攻撃力に変換するというものだね! つまりライフポイントが無傷の8000状態なら、攻撃力は7900というわけさ! こんな大きな数値じゃあ、一撃で勝負が決まってしまうね!
「……せんせー。見て見ぬふりはずるいのですよー」
さて、こんな強力なラーにはもう一つの……もうやめよう。この流れは弱いモンスターを強そうに見せかける、以前にも一度やった悪趣味な紹介だね。結論を言おう。《ラーの翼神竜》は観賞用カードだよ。
「せんせー! それは最後に言うべきなのですよー!」
いや、いいよ。嘘をついた以上は最後までつき続けるべきなんて言葉は嘘だからね。嘘は適当に嫌になったところでやめるべきだ。ということで説明を続けるけど、ラーの持つもう一つの効果は、ライフポイントを1000払うことで相手モンスター一体を除去するという、使い勝手の悪いものだ。
「相手を一体倒すくらいは、ふつーの魔法1枚でできますからねー」
そして、ラーのパワーアップ効果は召喚時にしか発動できず、使えばライフが100になる。つまり、ラーがパワーアップした場合、1000ポイント払って発動する破壊効果は使えない。使えないと、せっかくの高攻撃力も壁モンスターに阻まれて通じないということになりかねない。《ラーの翼神竜》は高攻撃力のモンスターとして使うか破壊効果を持つモンスターとして使うか、どちらかしかできないわけさ。
「しかし、破壊効果のモンスターには、もっと使いやすいものがいるのですよー」
それこそ、いくらでもいるだろうね。破壊対象を限定しないことと1ターンに何度でも発動できることは多少優秀な部類だけど、《ラーの翼神竜》を出すまでに三体の生け贄を捧げていることを考えれば、あまりにも遠回りな除去だ。三体の生け贄が揃って残っている状況だったなら、除去すべき相手モンスターは驚異的とは呼べない力の持ち主のはずだからね。
「すると、ラーは高攻撃力のモンスターとしてだけ使うことになるのですねー」
まあ、こちらにしてもほかのモンスターで代用が利くと言ってしまえばそこまでだけど、しかしライフポイントのほぼすべてを攻撃力に変換するということは、前もってライフ回復カードを使っていれば勝利に近づけるということでもある。
「それは珍しーですねー」
とても珍しいね。ライフを回復する効果は、いくら回復しても勝利に近づけないゲームの仕様上、普通に考えればただの時間稼ぎにしかならない。1枚のカードで回復できるライフポイントはいいところで2000くらいだ。それは一体のモンスターに一度直接攻撃されれば消えてしまうような数値でもある。それなら、回復カードを使わずにモンスターを除去するカードを使ったほうが、よほど実益があるというわけさ。結局のところ、九割九分のデュエルで勝敗を決めるのはモンスターによる戦闘ダメージだからね。何度も攻撃してライフポイントを奪ってくるモンスターを無視しながら奪われた数値を回復し続けるなんて、殴られるために延命処置をしているようなものだ。つまり、ただ回復するだけでは何の解決にもなりはしない。
「せんせー。ライフを2000よりも多く回復できるカードは、色々とあるはずなのですけどー」
そうかな。ぼくもライフ回復には疎いからはっきりとは言えないけど、一番使いやすいライフ回復カードは《神の恵み》あたりじゃないかと思っているよ。
「わたしが言っているのも、そのカードのことなのですけどー」
何と、見解が一致したね。しかし、意見が食い違うのはなぜなのかな。

「《神の恵み》はドローするたびに500回復しますからねー。ノーリスクノーコストで、使いやすいのですよー」
たしかにこれは比較的優秀なカードだ。なにしろ、ライフ回復は勝敗に直結するとは言い難いんだからね。逆に言えば、このカードが相手に積極的な除去を受けることはない。序盤で発動しても終盤まで残って、5000ポイントくらい回復することが、なくはないかもしれないな。
「すると、このカードは、実は強いのではないでしょーかー?」
それはどうかな。ライフポイントが多いからといって、相手モンスターが攻撃をやめてくれるわけじゃないからね。もちろん、ライフを攻撃力に変換する《ラーの翼神竜》にしてみれば《神の恵み》は有用なカードだけど……これはどちらかと言うと、神への恵みになっていないかな。
「……………………」
面白くなかったようだね。
「せんせー。次回はオベリスクの話なのですねー?」
おっと、なにを言っているのかな。《ラーの翼神竜》の話に続いて、今回は次回に続かずこのまま《オベリスクの巨神兵》の話もするのさ。
「そーなのですかー? それは長すぎると思うのですけどー」
長いと言うよりは重くなるから、オベリスクについては簡単に済ませようか。
「ははー。どーぞー」

オベリスクは自由に特殊召喚できるから、墓地に送って蘇生カードで特殊召喚しつつ、適当に要らないモンスターを通常召喚してみよう。オベリスク自身と召喚したモンスターを生け贄に捧げることで、相手モンスターを全滅させるゴッド・ハンド・インパクトが発動するよ。
「せんせー! ラーの破壊効果の意味がなくなったのですよー!」
おっと……本当だね。まあ、《ラーの翼神竜》は《オベリスクの巨神兵》よりもランクが高いと言いつつも、実際にはこの通り、ほとんど使い物にならない神だ。攻撃力上昇効果にはまだ使える余地が残っているかもしれないけど、そのくらいで最強の神を名乗るわけにはいかないね。
「そーですねー。三幻神にランクはありませんからねー」
よくわからないところに反応するね。ランク設定を再現していたら、《ラーの翼神竜》は色々な除去を完全に無視する理不尽なカードになっていたかもしれないよ。
「それはそーですけどー、そーいうランクではないのですよー」
どうにも、きみは意味不明なことを言い出すようになっているね。……おや?
「せんせー。ところで、オベリスクはどーやって使えばいーのですかー?」
いや。この話はここで終わりだ。オベリスクについては、今回は深く話さない。
「そーなのですかー?」
どうしてなのか、ぼくには急に話を終わらせる力が戻ってきたようだ。一つだけ付け加えておくと、三幻神は召喚時に効果を発動させないから、本来生け贄に使うと嬉しい《クリッター》も生け贄要員としては相応しくない。『タイミングを逃す』ことがないはずの強制効果すらも、神から『発動するな』と言われてタイミングを逃してしまうからね。さて、それじゃあこの話は終わりだよ。オベリスクの話はまたいつかの機会に取っておこう。
「せんせー! いつかの機会はいつなのですかー?」
《オシリスの天空竜》がOCGカードになった時かな。
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せんせーとわたしの三連コンボ(その1)

(絶えず現れ荒割れる。退去しても大挙してくる雑魚の群れの持つ脅威)『ガジェット』
「せんせーっ! ほんとーにデュエルモンスターズの話になりましたねー!」
それは質問形式ではないけど、その通りだね。
「しかし、デュエルモンスターズとしては最後のほーの話ですねー」
別に、あえてデュエルモンスターズやGXや5D’sの話に繋げようとはしていないからね。ピンポイントレッスンは、あくまでカードとデッキを話す場さ。
「そーなのですかー?」
そうだよ。ほかに何の場だと思ったのかな。
「いーえ、心当たりはないのですけどー」
いつからか、きみは意味のないリアクションをするようになったね。
「せんせーが意味のない話をしますからねー」
………………。
「せんせー? どーしたのですかー?」
今回はガジェットの話だったけど、それはWikiで調べればわかることだから、ここまでにしておこうか。また次の機会に。
「せんせー! せんせーの話は、最初からずっと意味がなかったのですよー!」
ここは、フォローの言葉を入れるべきところじゃないかな。
「そーですかねー?」
まあ、それはいいか。フォローしてもらうために機嫌を損ねるわけにもいかないし、それじゃあガジェットの説明をするとしよう。
「このモンスターたちは、すべて機械族なのですねー」
それ以前に、このモンスターたちというのは、ただ三種のモンスターのことだね。
「ガジェットは、ほかにもいるよーですけどー」
カテゴリとして考えれば、名前に『ガジェット』と入っているだけの無関係なモンスターもガジェットと呼ぶことになるけど、ここで言っているのは三色のガジェットたちだけだよ。
「グリーン、レッド、イエローの三体ですねー」
これらのモンスターは、召喚時に別の色のガジェットをデッキから持ってくる効果を持っている。AがBを呼び、BがCを呼び、CがAを呼ぶという風に、召喚しただけで後続のモンスターを手に入れられ、その流れが循環しているわけだ。これがガジェット最大の強みであり、ほとんどそれだけのことでガジェットたちは強力カード扱いを受けている。

「たしかに、効果を無視しますとー、攻撃力の低いだけのモンスターですからねー」
下級モンスターとしても、ぎりぎり戦闘できるかできないかというステータスだね。《グリーン・ガジェット》は攻撃力1400。《レッド・ガジェット》は1300。《イエロー・ガジェット》は1200ということで、積極的に相手モンスターを倒すには不向きなステータスだ。しかし、このモンスターたちは自身の効果により戦闘面の問題もクリアすることができる。
「……せんせー? 今回の話は【除去ガジェット】の話なのですかー?」
いや、強すぎるデッキの話をしても仕方がないからね。これは【ガジェット】デッキの話というよりも、ガジェットの強さに触れるだけの話かな。決して深追いはしないよ。
「ははー。たしかに、強いだけの話になりますからねー」
ということで、話はほどほどにしておくけど……ガジェットのサーチ効果は、召喚時にデッキからモンスターを引いていると言い換えることもできる。ルール上はドローと言えないだけで、実際にやっていることはそれと同じだね。
「そーですねー。弱小モンスターですけどー、いくらでも次が出てくるのですよねー」
ガジェットの召喚を無効にでもされない限り、一度召喚すれば次のターン以降には必ず手元にモンスターがあるわけだ。それは通常のドローフェイズ以外でモンスターを引き続けているということであり、通常のドローフェイズでモンスター以外のカードを引きやすくなるということでもある。
「デッキの中のモンスターが、どんどん減りますからねー」
それだけを聞くと、ともすれば駄目な効果のようだけど、実際にはデッキを減らしただけ手札が増えているからね。ガジェットのサーチ効果を毎ターン使えば、それは毎ターン2枚のドローをしているも同然だ。問題はガジェット自身の戦闘能力の低さだけど、それもごくごく単純な除去カードを使って解消すれば解決する。有り余った手札を相手モンスターの打倒と粉砕に費やし、自分のモンスターは何体やられても召喚し続けて攻撃し続ける。こういった言いかたでは強さがわかりにくいかもしれないけど、端的に言えば、除去カードを詰め込んだ【ガジェット】デッキでは、ほぼ毎ターン除去カードとモンスターカードをドローできると捉えていい。毎ターン一体の相手モンスターを葬りつつ、自分はモンスターを増やせると言ってもいいかな。
「せんせー。ドローフェイズのドローでガジェットを引く可能性もあるのではー?」
たしかに、あるね。場合によっては《イエロー・ガジェット》ばかりが2枚3枚と手元にきて、《レッド・ガジェット》のサーチ効果が無意味になってしまうこともある。だけど、そのあたりは機械族ならではの《マシンナーズ・フォートレス》で有効利用することもできるかな。

「……せんせー。ほんとーに強いだけの話になっているのですよー」
本当だね。さらに言うと《マシンナーズ・フォートレス》でガジェットをどんどん浪費したとしても、《貪欲な壺》という最高のパートナーがいれば【ガジェット】は安泰だよ。

……あれ? 何だか、この話は全然ピンポイントレッスンらしくないな。
「そーですねー。あまりにもまともすぎるのですよー」
なるほど、それが原因か。どうやら、この調子だとガジェットとシンクロ召喚を合わせる話はしないほうがいいみたいだね。
「強すぎる話になりますからねー」
まあ、それはそれとして、【ガジェット】には大量展開に特化した戦術として《血の代償》を使うというものもある。

「……せんせー。この話は、そろそろ聞きたくないのですよー」
そうだね。だから手早く終わらせるとしよう。《血の代償》はライフポイントを500払うたびに追加で通常召喚させてくれる。そしてガジェットは召喚するたびに後続を呼び出すわけだから、つまり、これはどういうことになるかな。
「このコンボは知っているのですよー。手札がガジェット一体だけでも、一気に五体並べられるのですよー」
そういうことだね。ここにレベル1チューナーを加えれば絶望を与えるレベル9シンクロ召喚にも繋がるけど……それはさすがにえげつないから、やめておこうか。
「ガジェットの効果は、シンクロよりもエクシーズ召喚に向いた効果だと思うのですけどー」
えくしー……どこかで聞いた響きだね。ぼくが知らないということは、それは非公式用語なのかな。
「せんせーは、どーして知らないのでしょーねー?」
ぼくもすべてを知っているわけではないからね。だからこそピンポイントレッスンができるわけだし、遊戯王ができるわけさ。
「エクシーズ召喚を知らないせんせーに、今の遊戯王はできないと思うのですけどー」
あいにくだけど、シンクロ台詞がなくてもシンクロ召喚ができるように、ルールとマナー以外のことは知らなくてもやっていけるんだよ。
「たしかに、まだこの世界では『マスタールール』が現役のよーですからねー」
もちろん、ルールと言っても古い『新エクスパートルール』あたりは知らなくてもやっていけるよ。
「……せんせー?」
なにかな。
「そろそろ、この話は(その2)に続くべきなのではー?」
いや、ガジェットについては今回で終わりだよ。ぼくはこの手の強力で無難な戦術とは相容れないからね。
「ふむー。すると、どーして話したのですかー?」
そう言われると、どうしてかな。よくわからないけど、何となくガジェットの時期かと思ったんだ。
「よくわかりませんねー」
まあいいか。それじゃあ、次回は強さと格好良さを兼ね備えたモンスターの話をしよう。
「何の話なのですかー?」
モンスターを超えたモンスター、三幻神の話だよ。
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せんせーとわたしのトラップイーター(その三)

(あのカードを出すために。逆境に負けない不屈のトラップ戦術)『トラップモンスター』
「ふむー。まるでデュエルモンスターズ時代のよーですねー」
何の話なのかな。『せんせーっ』から始まるいつものパターンはどうしたんだい?
「せんせーっ! 今回はトラップモンスターの話なのですねー?」
いや、トラップモンスターのことはそれほど話さないよ。
「そーなのですかー?」
今回紹介するカードは3枚。そのうちトラップモンスターは1枚だけで、あとの2枚はどちらも普通の永続トラップだ。
「ははー。すると、紹介されるトラップモンスターはあのカードでしょーねー」
予想が当たっているかどうかはわからないけど、紹介するカードはこれだよ。《メタル・リフレクト・スライム》。

「せんせー! これは顔面刺青の人とまるで関係ないのですよーっ!」
顔面刺青に関係ある話をすると言った覚えはないよ。さらに言うなら、まったく関係ないわけでもないね。
「どーしてこのカードを出すのでしょーかー?」
それにはそれなりの理由があるからだよ。《メタル・リフレクト・スライム》はトラップモンスター。永続トラップとして発動し、モンスターとして場に出られる珍しいタイプのカードだ。
「トラップモンスターは、そこそこ種類がいるのですよー。それほど珍しくもないですねー」
たしかにトラップモンスターの種類は必要以上に多いけど、実際に戦力としてデッキに入れられることは滅多にないね。普通のデッキは普通のモンスターを使う。
「どーしてですかねー?」
それは、まず簡単な理由として、トラップカードは場に伏せた次のターンからしか使えないからだね。引いたトラップモンスターを戦力として使いたくても、それには次のターンまで待つ必要があるわけだ。
「なるほどー。ふつーのモンスターよりも遅いですねー」
次に、トラップモンスターの戦闘能力は大して大きくないということ。これが二点目かな。
「しかし、中には強いモンスターもいるのですよー」
そうだね。すべてが弱いというわけじゃない。それでもトラップモンスターは強弱に関係なくまず使われない。なぜなら、トラップモンスターはモンスターカードとして扱われる一方で、トラップカードでもあり続けるからだ。
「そーですねー。モンスターでトラップな、変わったカードなのですよー」
しかし、変わったことをする場合にはリスクが伴う。端的に言えば、普通のモンスターで攻める時にはモンスター除去にだけ気をつければいいけど、トラップモンスターは魔法・罠除去の対象にもなるから簡単に除去されやすいんだ。
「魔法への除去では除去されないのですよー」
まあ、それはそうだけどね。
「《魔法除去》では除去されないのですよー」
そのカードを使っている相手には、除去されたとしても大した問題はないだろうね。
「《魔法解除》ならよかったのですけどー」
何の話になっているのかな。ともかく、トラップモンスターはモンスターとしてもトラップとしても破壊される可能性がある。だからこそ戦力として見込むには心元なく、採用率は低いというわけさ。
「ははー。それでは、【神炎皇ウリア】でも使う必要はないのですかー?」
それが、なくもないのさ。なぜなら【神炎皇ウリア】には《宮廷のしきたり》があるからね。このカードがあれば、トラップモンスターはトラップとして破壊されることがなくなり、そして同時にモンスターとしても破壊されなくなる。
「完全に破壊されなくなるのですかー?」
そういうことだよ。特に守備力の高い《メタル・リフレクト・スライム》は、元々戦闘で破壊されにくい。《宮廷のしきたり》がなくても時間稼ぎに貢献し、《宮廷のしきたり》が出たとなれば、まず簡単には除去されない。

「しかしですねー。破壊はされなくても、除外される可能性があるのですよー」
しかし、通常の戦術なら、《メタル・リフレクト・スライム》を除外できる時には《宮廷のしきたり》から除外するだろうね。
「そーですかねー? 《メタル・リフレクト・スライム》がなくなれば、モンスターで一斉攻撃できるのですよー?」
その一斉攻撃で必ず決着がついて、かつ【神炎皇ウリア】側に伏せカードが残っていないなら、それでいいけどね。しかし、もし1枚でも伏せカードが残っていれば、それが別のトラップモンスターだった場合にはどうなるかな。
「……一斉攻撃しよーとしたモンスターが、とても気まずくなるのですよー」
そしてバトルを渋々終わらせるだろうね。《宮廷のしきたり》がある以上、多種多様なトラップモンスターはすべてが破壊されない盾となる。《宮廷のしきたり》はデッキに3枚しか入れられなくても、トラップモンスターはそれ以上に入れることが可能だ。よって、実際には《メタル・リフレクト・スライム》一種を3枚くらいしか入れてなかったとしても、相手は採用枚数の少なそうな《宮廷のしきたり》から除去せざるを得ない。
「むむー。厄介ですねー」
もっとも、そうして《宮廷のしきたり》を除去したところで、実は第二の《宮廷のしきたり》が伏せられているかもしれないけどね。
「とても面倒なのですねー!」
攻める側にしてみれば、《宮廷のしきたり》とトラップモンスターの組み合わせはとても嫌なものだよ。《宮廷のしきたり》から破壊しないといつまでも攻められない。しかしそちらを破壊するだけではトラップモンスターを倒せない。そのトラップモンスターが守備力3000の《メタル・リフレクト・スライム》だとすれば、《宮廷のしきたり》を除去すること、リフレクト・スライムを除去する、あるいは殴り倒せる高攻撃力モンスターを用意すること。これらの条件をどうにか達成しないといけない。
「その上に、第二のしきたりやリフレクト・スライムがあれば、もっと面倒になるのですかー」
《メタル・リフレクト・スライム》を今度こそ破壊できると思ったところで《宮廷のしきたり》が発動、あるいはそれらを除去したところで《メタル・リフレクト・スライム》。どちらにしても嫌なことだよ。放っておけば《神炎皇ウリア》が出てくることは見えているから、攻め手を休めるわけにもいかない。しかし攻めかたを誤ると、攻撃態勢を取ったモンスターが無防備に場に残って、出現した《神炎皇ウリア》にやられる展開になりかねない。
「すると、一番いーのは《神炎皇ウリア》を倒すことですねー」
出てきた《神炎皇ウリア》に除去をぶつけて、墓地に送った3枚のカードを無駄にさせようということかな?
「そーいうことなのですよー。【神炎皇ウリア】側から《神炎皇ウリア》以外で攻めることはありませんからねー。守備には守備で対応して、《神炎皇ウリア》を待って除去すればいーのですよー」
ところが、そうもいかないかな。【神炎皇ウリア】には、趣味や気分次第ではあるけど、《ザ・カリキュレーター》が投入されている可能性もある。
「しかし、《ザ・カリキュレーター》はウリアなしには使えないカードですからねー。ウリアさえ倒せば問題ないのですよー」
それはどうかな?
「……どーなのですかー?」
間違いだよ。《ザ・カリキュレーター》は自分の場に高レベルモンスターがいれば、それがウリアでなくとも性能を発揮する。たとえばレベル10のモンスターが無条件に現れてくれたら、カリキュレーターの攻撃力は3600で、《神炎皇ウリア》を温存したまま戦闘ができるというわけさ。

「せんせー。高レベルモンスターは、出すのが大変なのですよー」
《メタル・リフレクト・スライム》。
「何とー! 最上級のモンスターをコスト無しで特殊召喚なのですかー!」
そう。攻撃力0のモンスターだからインチキ呼ばわりされる筋合いはないけど、《メタル・リフレクト・スライム》は壁としても攻撃への繋ぎとしても十二分に機能するカードだ。このカードがあれば《ザ・カリキュレーター》を【神炎皇ウリア】デッキに入れても不思議はない。
「攻撃力3600の下級モンスターになりますからねー」
まあ、そうは言っても確実性はないから、《ザ・カリキュレーター》は投入せずに、デッキをウリアと永続トラップだけに特化するのもありだよ。
「そーですかねー? カリキュレーターは、とても使えそーなのですけどー」
それは状況にもよるからね。使ってもいいカードではあっても、使うべきカードとは言えない。あくまで微妙な立ち位置のカードだよ。
「そーとは思えないのですけどー」
さて。2枚目のカードは《不協和音》だ。これは流行の先端を行くシンクロ召喚を妨害してしまうもので、その強い拘束力から使用期限が定められている。
「3ターンしか使えないのですねー」

これを発動する時は、相手ターンにシンクロ素材を並べられた時になるだろうね。期限が切れるタイミングは自分ターンのエンドフェイズだから、妨害できるのは相手ターンで3ターンの間となる。
「自分ターンにも妨害できるのですよー?」
たしかに、正確に言えば合計6ターンではあるけど、あえて自分ターンにシンクロされるかどうかを考える必要はないんじゃないかな?
「アクセルシンクロや《緊急同調》があるかもしれないのですよー」
《緊急同調》を使うデッキはとても珍しいよ。シンクロに特化したデッキであればあるほど、トラップカードゆえに使用タイミングが遅れる《緊急同調》は使わないからね。
「そーですかねー? バトルフェイズ中の追撃に使えるのですよー」
攻めている状況で一層攻めるためのカードは、ピンチには役立たないものだよ。それと同じと言うと変だけど、《不協和音》でシンクロ召喚を妨害した場合、一番被害を受けるのはシンクロ召喚に完全特化したデッキだろうね。
「シンクロしか考えないデッキがシンクロできなくなりますとー、なにもできなくなるのですよー」
さらに、シンクロに特化するということは、得てして弱小モンスターばかりをデッキに入れることになる。場に特殊召喚しやすいのは弱小モンスターばかりだからね。おそらく相手が【テックジーナス】あたりなら、《不協和音》一つで加速を潰せ、どころかモー……エンジンが煙を上げ始めるはずだ。
「しかし、【テックジーナス】は下級モンスターのサーチ効果がありますからー、そこまで不利ではないのですよー」
そう言えば、そうかな。《不協和音》は手札に戻しでもしない限り再利用できないから、期限が切れたあとには一気に展開してくるかもしれないね。……まあ、《不協和音》の期限が切れるターンには、自然に墓地へ送られる前に《神炎皇ウリア》か《マジック・プランター》のコストにすることになるだろうけど……でも、3ターンも相手を黙らせられたら、それで十分じゃないかな。
「3ターンで《神炎皇ウリア》が手元にくるのですかー?」
そうかもしれないし、もしもこないとしても、その潰した時間で《王宮の弾圧》を引いている可能性だってあるよ。
「《王宮の弾圧》ですかー……」

自分も相手も効果を発動できる、極めて異例の永続トラップだ。このカードがある限り、モンスターの特殊召喚を狙うことは相手のライフを800削るだけの結果しか生まなくなってしまう。場に維持するためのコストも発動条件もない、強力極まりないカードだよ。
「せんせー。このカードを使いますと、《メタル・リフレクト・スライム》が出せなくなるのではー?」
まあ、そうだね。発動を無効にされてしまった《メタル・リフレクト・スライム》はモンスターとして存在することはできなくなり、《宮廷のしきたり》があれば破壊されないものの、無意味に魔法&罠ゾーンに留まるだけになる。だから《王宮の弾圧》は気軽には使えないけど、それでも相手がモンスターを特殊召喚してきた時にはなるべく発動しよう。
「伏せた次のターンには発動しそーですねー」
そうなることが多いだろうね。だけど、これは永続トラップだから、少なくとも《神炎皇ウリア》の特殊召喚の邪魔はしない。ウリアを出す際のコストとして《王宮の弾圧》を墓地へ追いやれば、《王宮の弾圧》のない状態でウリアが出現できるからね。
「相手の特殊召喚を封じて、自分だけはキーカードを特殊召喚するのですかー……」

と、まあ、ここまでで大体《神炎皇ウリア》の話は終わりかな。永続トラップは場を支配できるほどに強力なものが多い。デュエル序盤ではそれらを駆使して相手を足止めしつつ、《神炎皇ウリア》を出して高攻撃力で殴る。これが【神炎皇ウリア】の戦法だよ。
「……せんせー。質問があるのですけどー」
なにかな。
「このデッキは《王宮のお触れ》を受けた場合にとても弱くなりますけどー、その問題はどーするのですかー?」
そういえば、その点のフォローがまだだったね。しかし、新たなカードを出して説明する必要はないかな。
「ないのですかー?」
【神炎皇ウリア】には《ダブル・サイクロン》を入れればいいと思うよ。このカードは自分の永続トラップも破壊できるから、たとえば《神炎皇ウリア》がより攻撃力の高いモンスターに殴られたとしても、その差が1000ポイント以内なら返り討ちにすることができる。
「ほほー。なるほどー」
あとは、自分の邪魔な永続トラップを処分しつつ《王宮のお触れ》を破壊することもできるね。

「……せんせー?」
おや。まだ質問があるのかな。
「いーえ、今の例なのですけどー、もしも《ダブル・サイクロン》で自分のカードを破壊したくない場合は、どーすればいーのですかー?」
そんな場合がありえるなら、そもそも《ダブル・サイクロン》を入れる必要はないね。
「自分のカード2枚を使って相手のカード1枚を破壊ですからー、効率は悪いと思うのですけどー」
それなら……そうだね。相手がこちらの《王宮の弾圧》を使った時に《ダブル・サイクロン》を使えば、これはさながら800ポイントダメージを与えるカードのように機能して/
「そして強力な《王宮の弾圧》を失うのですよー!」
……まあ、そうだね。
「せんせー。《王宮のお触れ》にはどーやって対抗すればいーのですかー?」
知らないよ。
「教えてくださいよー!」
ええと……サイドデッキで対策すればいいんじゃないかな。《サイクロン》には亜種が多いから、できるだけその手のカードを入れておいて/
「一戦目は負けるのですかー!」
二戦目と三戦目を勝てば、それで問題ないじゃないか。
「二戦目で相手が《人造人間−サイコ・ショッカー》を入れてきたら、どーやって対処するのですかー?」
……ええと。三戦目でモンスター除去を投入して/
「二戦目に負ければ、マッチ戦に負けているのですよー!」
通算成績で勝てば、それでいいんじゃないかな。
「マッチ戦に勝てないと、何の意味もないのですよー!」
それはそうだけど、そこまで相性が悪いと手の施しようがないよ。
「むむー……」
それじゃあ、また次の機会に。
「……そーですねー。また次の機会にー」
……おや? 出てこない?
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せんせーとわたしのトラップイーター(その二)

(場に残るという、ただそれだけの大きな価値。使うカードはすべて布石)【神炎皇ウリア】
「せんせー! 今回は、きっと永続トラップの話なのですねー?」
ごめん。
「……どーしたのですかー?」
ごめん。
「どーしたのですかー!」
いや、前回の話で『シリーズ最後に《宮廷のしきたり》について説明を加える』といった話をしたけど、予定を変更して、その話は今回することにしたよ。
「ははー。それは、別にどんな順番でも構わないのですよー」
そうか。それじゃあ、今回最初に出すカードは《マジック・プランター》だよ。
「ほほー。これは魔法カードですねー」

そう。永続トラップをサポートする魔法カードだよ。とはいえ、本来なら今回の(その二)では強力な永続トラップカードを見せる展開になっていたはずなんだけどね。
「そーなのですかー?」
今のところ、話に出ている永続トラップは永続トラップキラーの《王宮のお触れ》と制限カードの《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》と、同時に複数発動できない《宮廷のしきたり》だけだからね。永続トラップだけでなにができるのか、という疑問を解消するために、強い永続トラップばかりの話になるはずだったんだけど……まあ、仕方ないね。それよりも《マジック・プランター》の話だ。
「このカードは、永続トラップのサポートとは言えそーにないのですけどー」
それはどうかな?
「どーなのですかー?」
……どうなんだろう。難しいところだ。
「ははー。びみょーなのですねー」
効果は微妙とは言えないけどね。自分の場の永続トラップ1枚を墓地に送って2枚ドロー。この『1枚を犠牲にして発動し、2枚ドロー』というのは遊戯王にはよくあるパターンだ。このタイプの魔法カードは総じて優秀なドローカードと言えるけど、その優秀具合を上下するのは犠牲にするカードの種類だよ。
「永続トラップカードは、ふつーはそれほど使わないのですよー」
《マジック・プランター》を使う場合、そのデッキには永続トラップが多少以上に多く使われているはずだ。ただ永続トラップを多用するだけのデッキでは、せっかく発動した永続トラップを自分から処分する理由がほとんどない。つまり、この《マジック・プランター》は、永続トラップが場や手札で有り余ってしまうほど多いデッキで使うためのカードというところかな。
「有り余るデッキでなら、強いカードなのですかー?」
それは……それもどうかな。素直に《神炎皇ウリア》を中心とした【神炎皇ウリア】デッキで使う場合だけを考えてみるなら、《マジック・プランター》は【神炎皇ウリア】専用のサポートカードとしてデザインされたのかと勘違いしてしまうくらいに相性がいいんだけどね。
「永続トラップが多いデッキですからねー」
それだけじゃなく、《神炎皇ウリア》の攻撃力は墓地の永続トラップの数だけ上昇する。つまり、ドローカードとしても十分な《マジック・プランター》には『自分の場に存在する《神炎皇ウリア》の攻撃力は1000ポイントアップする』という隠された効果も備わっていると考えられる。
「なるほどー。それは強いですねー」
そして、加えて言うなら、墓地に送るカードが表側の永続トラップというのも悪い条件じゃない。ほとんどの永続トラップは発動機会を選ばないから、場にある永続トラップはどれでも《マジック・プランター》のコストにできると言える。つまり、引いた《マジック・プランター》を使えないという状況は、最初のターン以外ではありえないというわけさ。
「すると、《マジック・プランター》は、やはり永続トラップのサポートカードなのですねー?」
それは……そうなるのかな。なるかもしれないね。うん、そうかもしれないな。
「びみょーな答えですねー」
まあ、それはさておき、次は《神炎皇ウリア》としては必須カードになる《クリッター》だ。有名なカードで、場から墓地に送られれば自分のデッキから攻撃力の低いモンスターを手札に加えられる。《神炎皇ウリア》の元々の攻撃力は0だから、《クリッター》は《神炎皇ウリア》のサーチカードになるわけさ。

「しかし、《クリッター》は制限カードですねー」
まあ、それほど当てにするカードでもないからね。戦闘の壁になりつつ攻撃役の《神炎皇ウリア》を手に入れられる点は強いけど、それは当たり前すぎて言う間でもないことかな。
「ふむー。強いカードですけどー、よく知っているカードですからねー」
《クリッター》を使う場合、どうしても召喚権を消費することになるから、超高速でモンスターを展開するデッキではこのカードが使われないこともある。しかし【神炎皇ウリア】では召喚権なんて持て余すどころか存在を忘れかねないほどに縁がないから、遠慮なく《クリッター》を使うことができるわけさ。
「ふつーのモンスターで戦う必要はありませんからねー」
とはいえ、そこにも例外はある。これはデッキコンセプト的には入れる必要がないけど、《ザ・カリキュレーター》を【神炎皇ウリア】デッキに入れてみると、面白いことが起きるかもしれないよ。

「このカードは知らないのですよー」
最近のきみは大体のカードを知っている傾向にあったから、その発言は嬉しいね。《ザ・カリキュレーター》の攻撃力は、自分の場のモンスターのレベル合計の300倍だよ。
「そー聞くと、すぐにでもやられそーですねー」
なぜだか、そんな気がするね。しかし《ザ・カリキュレーター》自身のレベルは2。ここに召喚権を使わず現れるレベル10の《神炎皇ウリア》が並ぶと、どうなるかな。
「レベル2に……レベル10ですからー……」
チューニング宣言かい?
「いーえ、計算なのですよー。/そーですねー。攻撃力は3600なのですかー?」
そういうことになるよ。《神炎皇ウリア》がいればという条件だけど、ただ召喚しただけで攻撃力3600となれば、使う理由としては十分だね。
「そーですかねー? 《神炎皇ウリア》がいれば、それだけで優勢ですからー、わざわざモンスターを増やさずともいーのではー?」
そう言われれば、その通りかな。《神炎皇ウリア》が除去されれば《ザ・カリキュレーター》が弱小モンスターに戻ってしまうところからも、微妙に使いにくいことは否めない。ただ《神炎皇ウリア》と合わせるだけなら、無理に使う必要もないかな。
「せんせー。これは使うべきなのですかー? そーではないのですかー?」
この場合は、どちらでも、だよ。これは趣味と気まぐれだけで判断してもいいところだ。《神炎皇ウリア》を出したターンで勝負を傾けるために使うことも、堅実に戦うために使わないことも十分ありえる。
「むむー。このモンスター自体はびみょーですからねー」
まあ、《ザ・カリキュレーター》については次回で相性のいいカードが出るから、この段階で深く考えることもないよ。……さて。それじゃあ、今回最後のカード紹介といこうか。
「《宮廷のしきたり》の話なのですかー?」
その話だね。ここでもう一度《宮廷のしきたり》の効果を確認してみよう。複数枚存在できない点はともかく、大事なのは一点、『永続罠カードを破壊することはできない』という記述だよ。

「《宮廷のしきたり》以外の永続トラップは破壊されなくなるのですねー」
それはどうかな?
「……どーなのですかー?」
どうかと言うと、それは勘違いだと言わざるを得ないな。《宮廷のしきたり》があるからと言って永続トラップが破壊されなくなることはない。
「……そーなのですかー?」
といっても、これはちょっとした言葉の妙だよ。《宮廷のしきたり》のテキストには『破壊することはできない』とある。したがって『破壊されない』という解釈は間違いだ。簡単に言うと、《宮廷のしきたり》は『破壊しようとする』こと自体を封じてしまうんだ。破壊を受けても『破壊されない』というわけではなく、《宮廷のしきたり》以外の永続トラップが《サイクロン》なんかで『破壊を受ける』ことからが、そもそもなくなるわけさ。

「ははー。難しーですねー」
だけど、これは大事な問題だよ。たとえば、今回のシリーズにデュエルはないけど、きみとぼくがデュエルをしていると仮定しようか。ぼくのデッキは【神炎皇ウリア】だよ。
「ふむー。すると、せんせーの場には《宮廷のしきたり》があるのですかー?」
そう。ぼくの場には表側表示の《宮廷のしきたり》と《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》の2枚があるとしよう。そして、きみは手札に《サイクロン》と《ダブル・サイクロン》を持っているわけさ。

「ダブルサイクロンですねー」
カード名の復唱かな。とにかく、きみは《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》をまず破壊したい。だけど、そのためには《宮廷のしきたり》が邪魔だね。
「そーですねー。……ところで、せんせー」
なにかな。
「《ダブル・サイクロン》は自分の場のカードも破壊する必要がありますけどー、わたしのフィールドに魔法やトラップはあるのですかー?」
いや、きみの場には攻撃用の上級モンスター一体しか存在しないよ。そして手札が《サイクロン》と《ダブル・サイクロン》だけだから、《ダブル・サイクロン》を発動する場合は《サイクロン》と連続で発動することになる。
「なるほどー」
この状況での一手目は決まっているね。《ダブル・サイクロン》は自分の場に魔法・罠がなければ発動できない。上級モンスターは《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》のせいで攻撃できない。だから《サイクロン》を使うしかないわけだ。
「ターンエンドする手もあるのではー?」
【神炎皇ウリア】相手にのんびりしていると、一瞬で滅ぼされるよ。
「なにが滅ぼされるのですかー?」
さあ、なにかな。
「……つまり、わたしには攻めるしかないのですねー?」
そう。攻めるために《サイクロン》を使うしかない。しかしぼくの場には《宮廷のしきたり》と《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》が存在するだけだから、《サイクロン》が破壊する対象は一つに限られるね。
「発動した《サイクロン》自身を破壊することはできませんからねー。《宮廷のしきたり》を破壊する以外に、できることはないのですよー」
そして《宮廷のしきたり》を破壊したところで《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》は健在だから、攻撃する機会は得られないままだ。手札には発動不能の《ダブル・サイクロン》が残るだけで、ぼくにターンを渡さざるを得ないわけさ。
「……せんせー。しかし、この設定には抜け道があるのですよー」
よし。気付いてくれたようだね。それじゃあ、その抜け道を話してもらおう。
「そーですねー。たしかにわたしは《サイクロン》を発動するしかありませんけどー、そこで破壊対象を《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》にすれば、話が変わってくるのですよー」
変わった話を聞くとしようか。
「《宮廷のしきたり》がある限り、ほかの永続トラップは破壊できませんねー。しかし、チェーン1で発動した《サイクロン》に続けて《ダブル・サイクロン》を発動すればですねー、2枚の永続トラップを両方破壊することができるのですよー」
勘違いだね。
「そーなのですかー?」
気にしなくていいよ。話を続けよう。
「チェーン2で発動する《ダブル・サイクロン》は、破壊対象に《宮廷のしきたり》と《サイクロン》を選ぶのですよー」
発動中のカードは、チェーン処理が終わるまで場に存在するからね。魔法&罠ゾーンに一時的に存在する《サイクロン》を利用するわけだ。
「チェーン2の《ダブル・サイクロン》が《サイクロン》と《宮廷のしきたり》を破壊したあとに、チェーン1で《サイクロン》の効果が処理されるのですよー」
そうすると、すでに破壊された《サイクロン》と《宮廷のしきたり》は墓地に行ってしまっている。永続トラップは場を離れた時点で効力を失うから、破壊できないはずの《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を、この手順なら破壊できるというわけだね。
「せんせー。これは詰めデュエルだったのですかー?」
いや、全然そんなことはないよ。これが詰めデュエルだったとしたら、今頃ぼくは回答者から石を投げられているところだからね。
「《岩投げアタック》ですかー」
それは岩だよ。そうじゃなくて、この例では、そもそもどうしたって《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を破壊できないんだ。
「せんせー? わたしが突破したのですけどー」
それは、きみがぼくの想定通りに勘違いしてくれたからだよ。
「ツンデレではないのですよー!」
そうじゃなくて、だね。きみが示した攻略手順には大きな間違いがあるのさ。
「《サイクロン》と《ダブル・サイクロン》しかない手札のことですかー?」
それはそれで間違っているけど、初期設定には口を挟まないでおこう。そうだね。ここは一連の手順をまとめてみようか。
「ふむー。ややこしー手順ですからー、まとめてもわかりにくいのですけどー」
そんなことはないよ。


/わたし:手札2(《サイクロン》《ダブル・サイクロン》)場:上級モンスター
/せんせ:手札0 場:《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《宮廷のしきたり》
発動 團汽ぅロン》→《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》
発動◆團瀬屮襦Ε汽ぅロン》→《宮廷のしきたり》・《サイクロン》
処理 團瀬屮襦Ε汽ぅロン》が《宮廷のしきたり》と《サイクロン》を破壊
処理◆團汽ぅロン》が《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を破壊
「ほほー……」
こうしてまとめてみると、わかりやすいね。
「せんせー。せんせーの手札はゼロ枚ですからー、ターンエンドする手もあるのではー?」
それはある意味最善の回答だけど、今はその選択肢を無視しよう。それよりも、この発動´△判萢´△涼罎法∪簑个砲△蠅┐覆い發里一つ含まれている。それがなにか、わかるかな?
「ふむー……処理△鰐簑蠅△蠅泙擦鵑諭次
よし。その調子だと気付くには時間がかかりそうだから、ずばり言おう。ありえないのは発動,世茵
「一番最初なのですよー!」
その最初から間違えているから、すべてが間違いの元に成り立ってしまうのさ。これは空想と妄想の違いでもあるね。
「《サイクロン》を使うのが間違いなのですかー?」
まさか。《サイクロン》を使う以外にきみにできることはなかった。問題なのは、その対象が《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》ということだよ。
「《宮廷のしきたり》を破壊しても、うまくいきませんからねー」
だけど、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を選ぶのは論外だ。なぜなら――長くなったけど、ここでもう一度《宮廷のしきたり》のテキストを引っ張り出そう。『永続罠カードを破壊することはできない』。これで話がわかったかな?
「それでわかるのなら、間違えないのですよー」
よしよし。これはぼくが説明できる展開だね。それじゃあ言おう……というか、さっき一度言ったことなんだけど、《宮廷のしきたり》がある状況で永続トラップを破壊しようということは、そもそもできない。『破壊されない』という記述なら無意味を承知で破壊対象に選ぶことはできるけど、『破壊できない』と書いていればそうもいかない。『できない』と書いているんだ。きみの友達の言葉を借りれば、遊戯王には『できないとわかっていることはやるな』というルールがある。『できるかできないかじゃなくて、自分がやるかやらないか』という名言があるけど、遊戯王OCGではその言葉が当てはまらない。『破壊できない』と言っているのに破壊しようとすれば、最善の場合で相手に注意される。最悪の場合ならお互いに気付くことなくルール違反をしたデュエルが成立してしまう。だから、ルールは正しく把握しておこう。
「……せんせー。これは《神炎皇ウリア》の話なのですよねー?」
だけど《宮廷のしきたり》も重要なカードだからね。
「ふむー。/しかし、相手に注意された場合でも、相手の言う通りにするとは限らないのですよー」
まあ、相手が説明したルールが自分の思ったルールと違う場合、納得するのは難しいところだけど……幸いにも、遊戯王には魔法の言葉があるからそれは問題ないね。
「魔法の言葉ですかー?」
『ジャッジ』と『OCG事務局』だよ。この二つの言葉を使えば、勘違いは正される。同時に色々な夢や希望や幻想も打ち砕かれることが多々あるようだけど、そんな小さな話はしないでおこうか。
「つまり、『破壊できない』カードは、最初から破壊対象に選べないという話なのですねー?」
今回したかった話をまとめると、それはそういうことになるね。
「ふむー。手札が本当にダブルの《サイクロン》なら、今回の話は攻略できましたねー」
詰められないからと言って、前提を覆すのは反則だよ。
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